その16

 

 

 

 

「だめぇぇ… イク… また… いっちゃうぅぅぅ… あひぃぃぃぃ… 」

躯中の血が沸騰して身を焦がす様な愉悦の前では、もう女は何も取り繕う事は

出来ない。前後の2穴同時挿入を喰らった美人妻は、それぞれの男根が根元ま

で押し入れられた途端に早くも絶頂に達してしまい、たくましい男に挟まれた

汗まみれの裸身を何度も激しく痙攣させた。

「あぁぁ… だめ、もう、ゆるして、躯がこわれちゃう… 」

鮮烈すぎる快美のせいで気絶する事も出来ない真弓は、涙を流して許しを乞う。

「馬鹿言うなよ、これからが楽しいんだろう? あんたのケツの穴は、もっと

 掘ってくれって、キツキツに絞めてくるじゃないか」

「そうそう、マ◯コも最高だぜ、ドロドロに蕩けているぞ」

彼女を挟む二人の男は、哀しい悲鳴を漏らす美人妻の存念を無視して、タイミ

ングを合わせて再び陵辱に取りかかる。

「ひっ… ひぃぃぃ… ゆるして、おねがい、ああ、だめぇぇぇ… たすけて

 、あひぃぃ… 」

二人の若者に前後の穴を犯される美貌の若妻の無惨な姿を眺めていた妙子の手

は、そっと盃を傾ける村長の股間に延ばされる。

「ん? どうした? お前も初めて輪姦された時を思い出したのか? 」

「はい、村長さま。初めての時に私もああして、マ◯コとお尻を両方犯された

 んですね」

真弓の痴態を眺める村長の股間が強張っている事に少し嫉妬しながら、妙子は

彼の勃起を浴衣越しに愛撫する。

「ははは… 懐かしいか? なんなら、後で連中と楽しめば良いだろう。だが

 、その前に。儂の面倒を見てくれよ。妙子」

「はい、村長さま、喜んで… 」

前後から同時2穴挿入を喰らい息も絶え絶えに成った真弓をチラっと眺めた後

に、妙子は村長の浴衣の前をはだけさせると、彼の股間に顔を埋めて行った。

 

 

 

数日後… 白の小型車のハンドルを握る隆弘は浮かない顔で田舎の砂利道を進

んで行く。既に実家には立ち寄り、客間に残されていた妻の荷物を持ち出した

彼は、それらをトランクに押し込むと、そうそうに田舎の家を後にした。

「若奥様でしたら、そうですねぇ… この時間ならば多分、川向こうの輝夫さ

 んの家じゃないでしょうか? 昨日の夜にはそうおっしていましたよ。今日

 で最後だから… と」

この村の古い淫習を知り尽くしている女中の妙子の意味ありげな言葉も、彼を

落ち込ませるひとつの要因に成っている。約束の5日間を新居でまんじりとも

せずに過ごしていた隆弘は、それでも我慢を重ねて約束の日の昼まで待ってか

ら故郷の村に戻って来た。

新妻を5日間も村にひとり残して行けばどう成るのか? 彼とてこの村で生ま

れ育って来た以上は知り尽くした事だ。しかし、この村の生まれだからこそ、

今でも両親や親戚が暮らす村でのしきたりを破る事は憚られた。もちろん前も

って妻の真弓に、この特殊な村の事情を説明する事など不可能だ。もしも事前

に知られていれば、頬を張られて離婚騒ぎと成っていた事であろう。だから隆

弘は黙って新妻を実家に残す決断を下している。頭を下げて済む問題では無い

が、あの村に代々伝わる謎のお香の魔力の事も知っている隆弘は、そこに一縷

の望みを繋いでいる。

「やっぱり、村長だけじゃ無くて、輝夫等も犯ったのか… 」

ハンドルを持つ手がじっとりと汗ばむのを感じながら、隆弘は新妻の運命を憂

いて止まない。だが、彼にしたところで、まだ分別も無い若者時代には、村に

嫁いで来たり、改めて村の中で嫁と成った女の輪姦には嬉々として加わった過

去がある。それがいつの日にか己の身にも降り掛かる非運に成るとも思いが及

ばぬままに、高校時代から学友等と一緒に成って大人の女の肌の味を堪能した

隆弘だから、けして文句を付けられる筋合いでは無かった。

村人の誰かに嫁いでくる嫁は皆の嫁と言う不文律は、現代でもしっかりと根付

いて秘密裏に守られて来た。事情を知らずに外の世界から嫁いで来た真弓の様

な嫁達も、あの桃源香の魔に魅了されて、いつしか村の風習にどっぷりと浸っ

ている。おそらく彼の妻も、この数日でこれまでに体験した事の無い色の地獄

を彷徨ったであろう。

それは実家で応対に出て来た妙子の表情からも窺い知れた。まだ真弓と恋人と

して付き合っていた頃にも、夏休みや正月休みに帰省した際には、彼は妖艶な

女中とも何度と無く肌を合わせて濃密なセックスを楽しんだものだ。いかに村

の風習と言っても、男と女の仲に成っていた女中は、今回の帰省では真弓に対

して時折挑む様な鋭い視線を飛ばして、間に立つ隆弘をひどく狼狽させていた

それが、最前に顔を合わせた時には妙子の表情はすっかりと温和に成り、まる

でからかうような口ぶりで真弓の行き先を教えてくれている。5日前には確か

に真弓をライバル視していた妙子だが、今ではまるで仲間だと言わんばかりの

気安さが言葉の端々に滲んでいたのだ。

(おそらく、真弓も立派に『村の女』にされているんだろうな… )

自らが捲いた種とは分かっているが、古く忌わしき村の風習に従ってしまった

隆弘は、胸中に重い鉛の様な憂鬱の固まりを感じつつ、愛車を目的の家に向け

て走らせた。やがて彼の操る車は一見の古びた農家の門の前に辿り着く。昔な

じみの家だから、そのまま訪ねて行けば良いのだが、なんとなく気後れのある

隆弘は、門の前で軽く2〜3度クラクションを鳴らして様子を見た。

すると数分も待たぬ内に母屋では無く、農機具などをしまっている納屋の扉が

開かれて、中から真弓が姿を現した。納屋の2階にはちょっとした小部屋があ

り、高校時代には隆弘を含めた悪ガキ共のたまり場に成っていた事を彼は思い

出している。髪の乱れを手櫛で整えながら農家の庭先を横切る妻の様子を見て

隆弘は唖然と成る。

平素はだらしのない格好を嫌う彼女なのに、身に付けているのは扇情的なTシ

ャツと、都会でもめったにお目にかかれないホットパンツなのだ。手持ちのジ

ーパンのひとつを大胆にカットして誂えたとおもわれる単パンからは、白く細

い脚が無防備にスラリと伸びている。また、Tシャツも裾の部分が乱暴に切り

取られていて、胸元から下がきわどく露出されている代物だった。

まるで三流のアクション映画に登場する港町の娼婦の様な出で立ちの妻の姿に

、隆弘は彼女が村で過ごした5日間の重みを悟った。ふと見れば納屋の出口ま

で輝夫が見送りに来ているではないか! 真弓もそれに気付いたのか? 振り

返ると大袈裟なゼスチャーで彼に投げキッスを送って見せた。にやけた顔の輝

夫をわざと無視して、隆弘は妻の為に助手席のドアを開く。

「意外に早く迎えに来たのね? もう少し時間があると思っていたわ」

何ごとも無かったかのごとくに助手席に乗り込んだ真弓がシートベルトを付け

るのも待たずに、彼はアクセルを踏み込んだ。

「すまない… 」

真弓が過ごした5日間を思うと、隆弘には謝罪の言葉しか浮かばない。

「あら? なにをいきなり謝っているのかしら、おかしな人ね」

自分を置き去りにした亭主を責める事も無く、助手席で真弓は形の良い両脚を

組んで見せる。

「吉岡の嫁として村の女に成る以上は、とうぜんの責務を果たしただけでしょ

 う? 大丈夫よ、私は何の不具合も無く、立派に吉岡の嫁の働きを示して来

 たから。村長様も良く出来た嫁なって誉めてくださったわよ」

我が身に降り掛かった不運を感じさせる事も無く、まるで菩薩のごとき振るま

いで夫の裏切りを許す彼女の言葉が、隆弘には余計に重くのしかかる。

「あの… 大丈夫だったのか? 」

「なにを心配しているの? とっても刺激的な経験だったわよ。毎日たいくつ

 しないで楽しく過ごして来たわ」

これまでとはまるで雰囲気が違ってしまった新妻の姿を見て、隆弘の困惑は深

まるばかりだ。

「そんな事よりも… 」

扇情的な衣服を纏った美人妻は、悪企みを秘めた目で夫を見つめる。そして、

彼女の右手は、運転中の夫の股間へと伸びて行く。

「おっ… おい、真弓… 」

いきなり妻に股間をまさぐられた隆弘は狼狽した声を張り上げる。

「うふふ… こんなに固くして、5日間、さみしかったでしょう。家に帰ったら

 、たっぷりと奉仕してあげるから、もう少しだけ我慢してね」

意外な妻の言葉に絶句した隆弘を、彼女は瞳を潤ませて見つめている。

「それから、今度のお正月のお休みも、アナタの実家で過ごすのでしょう? お

 父様やお母さま、それに妙子さんも楽しみに待っているを言ってくれたわよ」

夫の股間をズボン越しに弄びながら、真弓は夢見る様な風情で言葉を続ける。

「それに、村長様も、ぜひ村の神社で二年参りする様におっしゃっているわ。お

 参りの後には村長様の家での宴にも招いて下さっているのよ。本当にいまから

 お正月のお休みが楽しみよね。そうでしょう? アナタ… 」

僅かの間に驚くべき変貌を遂げてしまった新妻の態度に圧倒されて、隆弘には返

す言葉が無かった。

 

 

村の掟 END

 

 

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