その16

 

 

 

 

図らずも彼女の娘の処女を奪ってしまった事から悩みを深めていた若者は、ひ

とつ大きく息を吸い込んでから、美弥子を見つめて覚悟を決める。

「すみません、美弥子さん、実は、僕は… その、えっと… あの、朋子ちゃ

 んと… 」

「な〜に、センセイ? 呼んだ? 」

美弥子の後ろに娘の朋子が不意に現れた事から、信雄は驚き椅子から転げ落ち

そうに成る。何故、ここに朋子が? と、思うと、頬が強張り額に冷や汗が滲

み出た。なにしろ目の前には愛人の美弥子がにこやかに鎮座しているのだ。確

かに過去の閨の床の中で娘の処女を喰ってしまえとけしかけた経緯はあるが、

それでも二人が揃ってこうして押し掛けてくる事態は彼の想像を大きく超えて

いる。

「そうそう、ノブオ、聞いたわよ。ちゃんとトモを女にしてくれたんだって?

 うふふ、この子ったら、嬉しそうに全部話してくれたんだから」

「でも、ママ、だからと言ってお赤飯は無いでしょう? お赤飯は… 」

「あら? どうして? 初潮の時だって、ちゃんとお赤飯を炊いてあげたでし

 ょう? 女にしてもらった時にだってお祝しても悪くないわよ。ねえ、ノブ

 オ、そうでしょう? どちらも初めては一生に一度の事だもの」

仲睦まじい母娘の姦しい会話を聞いて、信雄は激しい脱力感に襲われて口を挟

むことすら出来ない。母親を愛人としておきながら、その娘にまで手を出した

最低の人非人と、ここ数日間は悩み続けたあの苦悩はいったい何なのか? 人

の道から外れた行為に溺れた己を責め続けた隣室では母娘は仲睦まじくお祝の

赤飯に舌鼓をうっていたのだ。先立っての戯れ言はあったが、現実となれば当

然美弥子からは強く叱責される事を覚悟していた若者は、外見上は姉妹と言っ

てもまったく違和感の無い二人の美女のじゃれ合いを、無言のままで見つめる

ばかりだ。

「でもね、この小娘ったら、『これでママと対等よ、ノブ兄ちゃんは一人占め

 させないから! 』と、言って凄んだの。とんだ思い上がりよね? たった

 1度犯ってもらっただけで、アタシに対抗するなんて、ちゃんちゃら可笑し

 いわ。あなただってそう思うでしょう? ねえ、ノブオ?」

「え〜〜! なによ、それ? ずるくない? そりゃあ、ママの方が経験豊富

 なのは分かっているわ。それに先にセンセイに手を出しちゃったのもママだ

 から、それもしょうがなけれど… でも、出遅れちゃった分は、これからき

 っちりと取りかえすし、センセイにも色々と教えてもらえば良いんだから、

 そんな差なんて、アッと言うまに取りかえしますぅ! ねえ、センセイ」

予想だにしなかった二人からの問いかけに対して答えに窮した若者は、呆然と

したまま唇をパクパクするだけだ。

「それよりも、ほら、朋子、いいの? 友達と約束があるんでしょう? 時間

 に遅れるわよ」

「あっ… いけない、サンキュー、ママ。それじゃ、今夜は自由研究の打ち合

わせて少し遅くなるから、センセイとごゆっくりね」

母親を押し退けて、まだ呆然としている信雄の元に歩み寄り頬にキスをする。

「それじゃ、センセイ、ママをよろしくね。バイバイ… 」

朋子はクルリと振り返り、現れた時と同じく旋風の様に去って行った。

「まったく、あれでアタシと張り合おうと言うのだから、まあ、10年は早い

 わよね。そう思うでしょう? ノブオも」

娘の駆け去った後を眺めながら、美弥子は優しく微笑む。しかし、再び彼の方

を向いた時には、すっかりと牝の顔に戻っていた。

「あの、いったい、どう言う事なんですか? 」

まるで旋風の様に現れて、そして去っていった少女の行動に面喰らい、まだ事

態が飲み込めずにいる若者へ、美弥子は妖艶な笑みを見せる。

「昨日の夜の事だったわ。朋子が真面目な話があるから聞いてくれって言うの

 。それでピンと来たわね。最初はね、あの子も強気で『センセイと寝たんだ

 から、もうママはノブ兄ちゃんから手を引いてちょうだい! 』と、言って

 来たの。ああ… 本当に可愛かった。だから、こう言ってやったのよ『ねえ

 、朋子、あなた本当にひとりでノブオを満足させられて? 彼はハンサムだ

 し頭も抜群に良いし、今年はおそらく司法試験にもパスするわ。そう成れば

 、世の中の他の女が彼を放っておくハズ無いわよ。昨日まで処女だった朋子

 で、本当に彼を繋ぎ止めていられるかしら? 』と、ね… 」

妙に持ち上げられて、信雄は照れて頭を掻く。

「いや、あの、それ程では無いですよ… 」

「いいえ、あなたは自分が思っているよりも、ずっと魅力的よ。だからね… 

 『そんなノブオを世間の他の女等から遮断しておくには、ママと二人で協力

 した方が良いでしょう? だいたいママはノブオと結婚する気も無いし、子

 供を作るつもりも無いもの。朋子が一人でちゃんとノブオを満足させられる

 様に成るまでは、二人掛りで責めましょう』と、提案したのよ。あの子もし

 ばらくは考えていたけれど、すぐに有益な申し出だと理解してくれたわ」

とんでもない提案をする美弥子も美弥子だが、それを了承する朋子も如何なモ

ノであろうか? 年上の美女の説明に信雄は呆れ返る。

「じゃあ、まさか、その… 」

「うん、今日からはアタシも朋子も君の恋人と言うわけ。ねえ、嬉しい? ほ

 ら、俗に言うところの『日替わり親子丼』なんだからね。まあ、ノブオの大

 事な試験まではお互いに週1くらいで我慢して、試験が終わったら月水金は

 ワタシ、火木土は朋子、それに… 」

ここで一旦、言葉を区切って美弥子は色っぽい目つきで若者を見据える。

「日曜日は3Pよ。あの子、ノブオの為にも自分の経験不足を補いたいってい

 るの。いいわね、セックスに熱心な可愛い恋人が出来て… うふふ、覚悟し

 なさいね。他所で余計なタネをばらまかない様に、朋子とふたりでたっぷり

 と搾り取ってあげるわよ。ああ、待ち遠しいわ。まさか、あの子と一本の竿

 を分け合う仲に成れるとは、思ってもいなかったもの」

余りにも意外な展開に固まる若者の前で、美弥子は娘と共に彼の剛直に交互に

しゃぶりつく様を想像して瞳を潤ませる。

「ノブオに生活力が付くまでは、アタシ等は恋人よね。もしも、そのまま上手

 く事が進んで、朋子とあなたがゴールインした暁には、アタシはまた、ノブ

 オの愛人に逆戻りするから、別に心配はいらないわ。その頃には、もう朋子

 も嫌とは言わない様に仕込んであげる。ねえ、女房公認で愛人を持てるのだ

 から、幸せと思いなさいよ、ノブオ」

自分の将来を決めつける美女の言葉に、素直に信雄は頷いている。そんなに遠

い未来の話よりも、彼の思いは試験の合格後に待っている、目眩く様な3Pへ

と飛んでしまっていた。

 

 

 

隣の部屋の美弥子さん END

 

 

 

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