その28

 

 

 

「あの、アナルセックスが終わったあとで、仁村先生と一緒にお風呂に入って、そ

 れで、先生に躯の隅々まで洗ってもらって来ました」

彼をすっかり新しい主人と定めて甲斐甲斐しくかしずく美貌の女保健教諭から、入

念に躯を洗い清めてもらった心地良さを思い出して、信也は心持ち頬を緩めながら

真弓の申し出を断った。彼は自分が地雷を踏んだ事には、まだ気付いていない。

「節子の家の古臭い風呂には入れて、ウチのマンションのユニットバスには入れな

 いって言うの? 」

怒気を含んだ真弓の言葉に、ようやく剣呑な雰囲気を悟った信也は慌てて立ち上が

る。

 

「いえ、そんなわけではなりません。あの、その、お風呂に入ってきます! 」

年上の愛人の返答を待つ愚を避けて、前言を撤回した少年は慌てて振り向くと一目

散にリビングを後にした。

(どうしちゃったんだろう? なにか大きなミスでもしでかしたのかな? でも、

 それならば、なんでお風呂なんだろうか? )

恋愛経験の極めて乏しい信也だから、作戦参謀を務めてくれた真弓の微妙な女心を

計り知る事など出来るはずも無く、急に機嫌を損ねた年上の美女の怒りに満ちた瞳

に怯えながら、上の空で服を脱ぐと風呂場に足を踏み入れた。

 

「ふぅ〜」

今日2度目の風呂に成るが、湯舟に肩まで浸かる心地よさに、信也は目を閉じて満

足の溜息を漏らした。

(それにしても、いったい何を失敗したのかなぁ… 真弓さんの命令は全部実行し

 たし、節子さんも予定通りに篭絡したのに。ほかに何か見落とした事って、何だ

 ろう? )

リビングに置き去りにした真弓とは、風呂を上がれば顔を合わせぬ訳には行かない

ので、信也は湯舟でふやけながら懸命に脳味噌を働かせて彼女の不興の理由を推察

していた。だから、脱衣所との間を仕切る扉が不意に開かれるまで、年上の美女が

そこに居た事に気付かなかった。

 

「うわぁ、真弓さん! 」

風呂場なのだから彼女が全裸なのは驚く事でも無いのだが、何故に彼女が不機嫌な

のか分からぬ信也は、年上の美女の予想外の奇襲行動に驚きユニットバスの湯舟の

中で固まった。

「いつまでお湯に浸かっているの? さっさと出なさいよ! 」

「はっ… はい、ただいま」

ザバっと派手な音を立て湯舟から飛び出た少年だが、当然交代で湯に浸かると思っ

ていた真弓が、その場で冷やかな目をして動かぬ事に困惑する。旧家の節子の家の

広々とした風呂場とは異なり、最低限の機能を持つマンションのユニットバスだか

ら二人で使うには些か狭苦しい。窮屈な洗い場で対峙する形と成った事から、信也

はどうして良いものか視線を宙で遊ばせる。

 

「勃って無い! 」

「は?」

怒気を含んだ声を持たした美女に、ようやく目を向けた少年は、真弓が彼の下腹部

を睨み付けている事に驚いた。

「節子とは犯れても、あたしの裸じゃ勃たないって、どう言う事よ! 」

「へっ? あ、あの… 」

彼女の憤怒の意味が、まだ呑み込めない少年は間の抜けた返答しか出来ずにいた。す

ると全裸の真弓は怒ったままの顔つきで彼に詰め寄り、そのまま少年を捉まえて強引

に唇を合わせてくるではないか! 驚き目を見開いた信也の口の中に、年上の美女の

舌がもぐり込み、濃密なディープキスを仕掛けて来た。まだ彼女の行動の意味が理解

出来ていない信也だったが、賢明にも真弓を引き離す暴挙には及ばず、だまって彼女

のキスに応じて状況の悪化を防いだ。違いに舌を絡め合い唾液を啜るディープキスを

交わした後に、ようやく真弓は彼の唇を解放した。

 

「いいこと! あなたの恋人はアタシなのよ、節子は2号、いえ、二人の共用の愛玩

 奴隷女なの。あの売女にすこしでも気持ちを移したら承知しないからね。主を亡く

 した野良奴隷女が気の毒だから、ちょっと情けを掛けてやったのに、なによ! デ

 レデレして」

「いや、あの、デレデレって… そんな… 」

理不尽極まりない真弓の言葉だから、さすが少年も抗弁しようと口を開くが、その態

度は年上の美女を余計に苛立たせた。

 

「い〜え、デレデレしていました。ふん、あんな年増女に鼻の下の延ばして、まった

 く油断も隙もあったもんじゃない! 間違えないように、もう一度念を押しておく

 けれども、あなたの恋人はあたし! あのオバサンじゃないの! 」

「はい、それはもちろんです」

ようやく三十代に乗ったばかりの節子にオバサン呼ばわりは酷いなと思いながら、馬

鹿正直に抗弁して、これ以上、真弓の怒りに火を注ぐこともあるまいと判断した少年

は、真面目くさった顔で頷き、年上の愛人の主張を全面的に認めて見せた。

 

「よし、わかればいいの、でも、それならば… 」

少年の素直な態度に機嫌をなおした真弓は、一転して淫蕩な笑みを浮かべながら信也

の股間に手を延ばす。

「ちゃんと、わかったならば、萎れたままで良いハズないでしょ! 」

男と言うものは悲しい生き物だ、特に若い牡は物理的な刺激には極めて脆い。ついさ

っきまで新たに手に入れた年上のマゾ奴隷女の自宅に乗り込み、熟れた肢体を散々に

喰い散らかして来た信也だが、こうして全裸を曝した真弓から指で股間をまさぐられ

れば、精力を余らせた巨根はムクムクと鎌首をもたげてしまう。

 

「そうよ、そうじゃなきゃ、許さない」

新たな奴隷女を手に入れた事に有頂天に成った信也の態度に立腹した美人英語教師だ

が、手の中で膨れ上がる肉の凶器の感触に歓喜して、風呂の洗い場に膝を付いた。自

ら少年を節子の元に派遣して、奴隷女の無聊を慰める様に指示した真弓だが、信也が

年上のマゾ奴隷女と時を過ごす間、言い知れぬ不安と焦りに嘖まれた事を明かすのは

、彼女のプライドが許さない。ようやく自分の元に戻った年下の愛人の巨根を手にし

た真弓は、勃起の根元を指でしごきながら、怒張の先端に唇を寄せて行く。

 

少しの間、傘の大きく開いた亀頭を愛おし気に舐め清めた美女は、顔を左右に揺らし

つつ、青筋のくっきりと浮き出た胴にキスの雨を降らせて行く。彼女に媚薬を投与し

た上で犯して、性交奴隷女扱いした亡き校長に強いられた時のフェラチオは、真弓に

屈辱しか与えてはくれなかった。せせら笑う初老の教育者の股間に顔を埋めて、鬼畜

野郎の肉棒を口にしなければ、強力な媚薬で疼く躯の火照りを癒してもらえなかった

から、真弓は矜持を傷つけながら口での奉仕を続けていた。その悪魔の支配から逃れ

て自由を手にした美貌の英語教師は、あたらしく彼女の躯を貪る主人と定めた少年に

対するフェラチオで、自分な何故にこんなにも昂るのか? 不思議に思いながら、も

う先走りの汁を滲ませる鈴口を丹念に舌を使って舐め回していた。

 

 

 


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