その2

 

 

 

 

『「あの… お兄さん… 進一さんは、いらっしゃるかしら? 取次いで欲し

 いのだけれど… 」

「そんなに会いたいのですか? 彼方を犯した兄さんに、須磨子さん? 」』

 

 

思った通り、良太の言葉に彼女は驚き絶句している。

 

 

「なっ… なにを… 」

指先が小さく震えるのが情けないが、須磨子は萎え掛かる気持ちを奮い立たせ

て、目の前の美少年を睨み付けた。

「聞こえませんでしたか? それではもう一度、『そんなに会いたいのですか

 ? 彼方を犯した兄さんに、須磨子さん? 』」

ハッキリとした言葉で衝撃的な内容を語った良太を前にして、須磨子は再び言

葉を失う。

(しっ… 知っているんだ、この子… 私が進一にどんな酷い事をされたか… )

須磨子は、紅茶のカップを両手で抱える美少年を青ざめた顔で凝視する。彼女

は進一と同じ大学のピアノ課専攻の音大生だった。地方の高校生時代には幾つ

かのローカルコンクールで入賞を果たし、将来はピアニストを夢見て上京した

彼女は、大学で進一の演奏に触れて底知れぬ絶望を味わう。

技量云々の他にある絶対的な才能の格差を残酷な位に目の当たりにしなければ

成らなかった須磨子は、真の天才と称された進一を目指して修練を重ねて行く

。しかし、学べば学ぶ程、歯を食いしばり努力を重ねる程に才能の差は歴然と

成り、彼女は何度も打ちのめされてしまう。

余りに偉大な才能に幻惑されたボーイッシュな美女は、進一からの誘いを断れ

ず、やがては男と女の仲に成る。もちろん彼の整った容姿にも引かれたが、恋

愛感情の末と言うよりも、進一に抱かれる事で彼の感性を少しでも理解して自

分の演奏に投影出来れば… と願った須磨子であった。

でも、その自分勝手な目論見は脆くも崩れてしまった。あれは、3度目に抱か

れた時の事だ。彼女の躯を貪り喰らった後に、なんと進一は友人達に須磨子を

解放すると言う暴挙に及んでいる。進一と二人だけの愛の行為を隣室から盗み

見されていた事へのショックと、官能に溺れて痺れていた躯のせいで、須磨子

は成す術も無く数人の見ず知らずの男達に入れ代わり立ち代わりに犯されてし

まう。

余りのショックから、自我が崩壊して成すがままにされた美女は、以来、数カ

月に渡り、進一とその友人達の性欲を解消する為の奴隷女として、セックス奉

仕を強いられて来た。電話で呼び出されたホテルには、必ず進一の他にも数人

が待ち構えていて、彼女は一度に何本もの男根に奉仕する事を教え込まれた末

に、散々に辱められるのだ。

最初の輪姦の際に撮られた写真をネタにされた事から断る事も侭成らず、彼女

は屈辱に満ちた肉奉仕を強いられている。獣の体位を命じられて、彼女の尻を

抱えた3人の男が順番に彼女の膣に精を迸らせる間、ずっと進一の肉棒をしゃ

ぶらされた事もある。

誰にも相談の出来ないセックス奴隷の肉奉仕はつい3週間まえまで続けられて

いた。そんな時に掛けられた1本の電話が事態を急変させる事に成る。

 

 

『須磨子か? 俺だ』

3週間ぶりに掛かって来た電話を受けて、彼女は複雑な思いに駆られる。こ

れまでは毎週の様に呼び出されて慰みものにされていたが、不意にインター

バルが3週も開いた事から、須磨子は困惑している。久々に受けた進一の電

話の声が、彼女の不安定な気持ちをかき乱す。

「なに? 」

動揺を隠す為に必要以上に不愛想に答えた須磨子の耳にとんでもない台詞が

流れ込む。進一は、海外でのコンサートツアーに客演を依頼された事から、

一月ばかり日本を留守にするそうであり、その前に輪姦の写真を返すから、

自宅まで来いと命じて来たのだ。不意に奴隷の身分から解放されると言われ

た彼女は幾分訝りながらも、こうして指示された日に彼の屋敷を訪ねていた

 

 

「そんなに驚かないで下さいよ、須磨子さん。事情は兄から聞きました。彼

 方の事は万事僕に任されています」

紅茶のカップをテーブルに置いた良太は立ち上がると、まだ事情が呑み込め

ないボーイッシュな美女の脇に歩み寄る。そのまま唖然と佇む美女の唇を、

あまりにも自然な行動で彼はあっさりと奪い去る。

(えっ! なに… いや! )

唇に軽く触れるキスをされた事で、ようやく己を取り戻した須磨子は、キッ

と眦をつり上げて少年を睨むと、音を立てて彼の頬を張る。

「ばっ… 馬鹿にしないで、子供のくせに! 」

唐突な良太の行為に狼狽して、つい彼女は声を荒気て言い放つ。

「おや、良いのですか? 最初の輪姦の時に撮ったポラロイドの写真は、今

 は僕が預かっているのですよ。なんなら、須磨子さんの実家に郵送して差

 し上げましょうか? 」

たおやかで優し気な外見とは裏腹に、邪悪な魂を持った美少年の言葉が須磨

子を打ちのめす。自分の弱味が兄から弟へと受け継がれた事を悟った美女は

混乱してしまい、こんどは抗う事も無く良太をキスを受け入れる。

(この子、慣れているわ… )

前歯を押し除けて入って来た舌が、彼女の舌を捕まえて舐るディープキスを

仕掛けられて、須磨子は当惑を隠せない。なにしろ相手は年下であり、とび

っきりの美少年なのだ。もしも、弱味を握られた上でのキスでなければ、ど

んなにか心を踊らせるくちづけであろうか? しかし、そんな雅やかな外見

とは裏腹に少年のキスは、あの邪悪な進一を思い起させるように濃密で絶妙

だった。

 

「さあ、須磨子さん、こちらにどうぞ」

応接間を後にした二人が赴いたのは、奥に設えられた寝室である。趣味の良

い内装のベッドルームの端には、キングサイズのダブルベッドが存在感を示

しているので、須磨子は足を踏み入れるのを躊躇う。そんなボーイッシュな

美女の戸惑いを悟り、良太はそっと彼女の背中を押して部屋に導き入れた。

「さあ、脱いで下さい、須磨子さん。それとも引き裂かれたいですか? 」

部屋に入った良太は、ベッドサイドの椅子に腰掛けると、不遜な態度で年上

の美女に命令する。どんなに抗ってみても、輪姦の証拠の写真を握られてい

ては、おそらく時間の無駄に成る。そう覚悟を決めた須磨子は気が進まぬ様

子ながらも、大人しく上着を脱ぎ、つづいて飾り気の無い白いブラウスのボ

タンを外して行く。

ここまで来れば躊躇はかえってみっともないと感じた彼女は、そのままスラ

ックスのも脱いで、やがて思いきり良く全裸を曝す。最後の一枚から両脚を

抜いた須磨子は、遮光カーテンで仕切られた薄暗い室内で若々しい艶のある

女体を少年に見せつける。

 

 

 


次に進む

 

目次に戻る


動画 アダルト動画 ライブチャット