その4

 

 

 

 

「あうぅぅぅ… 」

亀頭が少しもぐり込んで来ただけで、須磨子は情けない声を上げ眉を顰めて唇

を噛み締める。この数カ月の間に急速に熟する事を強いられた女体は刺激に余

りにも弱く、背筋を走り抜ける電撃的な快美の前に彼女は我を忘れて行く。

輪姦現場の写真をネタに脅されて犯されているのにも関わらず、彼女の右手は

美少年の肉棒に添えられて、己の淫穴へと誘っているのだ。この瞬間の須磨子

は完全に被害者である事を失念して、色に惑い牝奴隷へと堕ちている。年上の

美女に導かれた少年は、そのまま静かに腰を進めて行く。まったく戸惑う事も

無く、彼はそのまま須磨子の中に押し入った。

「きゃぁぁぁぁぁ… あっ… あぁぁ… 」

今までは、多くの獣と化した男達の視線に曝されながら屈辱的な性行為を強い

られて来た須磨子だから、こうして二人きりで行う久しぶりの密事は、非常に

新鮮に感じられて官能が掻き立てられて行く。

なにしろ、相手は稀に見る美少年なのだ。彼女を性の地獄に突き落とした進一

の弟であっても、その外見からは邪悪さは微塵も見出せない。見目麗しい少年

に組伏される悦びに、束の間、須磨子は酔い痴れた。

また、良太の方も、兄の手に掛かりすっかりと熟している女体を存分に堪能す

る。濡れて熱い粘膜が吸い付く様に彼の肉棒に絡み付き、根元までしっかりと

巻き付く感触は素晴らしく、良太は心を踊らせる。すっかりと観念した美女の

負け姿を嬉しく思いながら、少年はゆっくりとではあるが力を込めた律動に取

り掛かる。

「あふぅぅ… ああ、すごい、子供のくせに… はぁぁぁぁ… 」

相手は年下の高校生なのだ! それは理解しているのだが、こうして貫かれた

末に突き上げられてしまうと、もう須磨子の混乱は深まるばかりだ。余りにも

甘美な行為に溺れてしまい、膣の中のさばる肉棒が、忌むべき陵辱者の弟の代

物とは思えなく成り、なによりも尊く感じられて行く。

輪姦現場の写真をネタに、何人もの男達に同時に奉仕する事に慣れた奴隷女は

、たったひとりの、しかも並外れた美少年に犯される事に新たな悦びを見い出

している。

少なくとも侮辱の末に味わう嫌悪すべき悦楽とは異なる高まりが、彼女の精神

に新しい刺激を齎していた。華奢に見える割には力強い突き上げを喰らい、須

磨子の興奮も大きく膨れ上がって行く。自分でも呆れる程に愛液を溢れさせな

がら、彼女の膣は快楽の根源と成る雄根を妖しく締め上げる。

「あぁぁ… もうだめ、おねがい、許して… 」

先にねを上げたのは、だらしないが年上の須磨子の方だ。彼女は昂る気持ちや

躯を持て余し、潤んだ瞳で美少年を見つめながら降参の台詞を口にする。

「避妊は、どうしますか? 」

あくまで冷静な良太の呼び掛けは憎らしいが、これ以上責められると、どうに

か成ってしまいそうな美女は屈辱の言葉を言い放つ。

「いいから… このまま、中で… 大丈夫、ピルの飲んでいるの、だから、…

 あっ… あぁぁぁ… 中で出して… あひぃぃ… 」

制御不能な脳乱に巻き込まれた美女のあられもない呼び掛けに興奮して、良太

もスパートを掛ける。

「そうですか、それじゃ、お言葉に甘えますね」

若さ溢れる牡の言葉通りの強烈な突き上げの前に、須磨子も息を荒気て腰をう

ねらせる。子宮を小突き回される様に峻烈で大胆な律動を喰らった美女は、や

がて大きな随喜の波にさらわれて、赤裸々な悲鳴と共に絶頂に達する。

「ひっ… いく… イクわ、もう… あっ… あひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ… 」

先に達した事を恥じらいながらも、須磨子は性の暴走を止められない。昇りつ

めた瞬間の膣の艶かしい蠢動を味わいならが、良太も美しい年上の女の中に、

存分に精をほとばしらせた。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁ… 」

改めて少年の射精を感じ取った須磨子は、激しい快感に幻惑されて目の前が暗

く成る。心ならずも美少年の手で絶頂へと追い上げられてしまった彼女は、悔

しさすらも呑み込む快美に翻弄されて、何度も汗の浮き出た美しい肢体を震わ

せてしまった。

(そう、これよ… これが私が望むセックスよ、正しいセックスなんだわ、こ

 れで良いの、これで… )

心の片隅に蟠る小さな黒い闇から無理矢理に目を逸らして、須磨子は快楽の余

韻に酔い痴れた。しかし、自分でも気付かぬ事だが彼女の目は憂いを帯びて、

溜息には落胆の色が微かに含まれている。

「いやだなぁ… そんなに露骨にがっかりとしないで下さいよ、須磨子さん。

 もちろん、これで終わりではありませんからね」

少年の台詞の温度差に、須磨子は驚き身を固くする。慇懃無礼な口調はさっき

までと変わらないが、その声色は一気に氷点下に達したのでは無いかと思う程

に冷たく、この場にはいない、本来の支配者である兄の進一の事を強く思い起

こさせる。

「両手を背中で組みなさい、須磨子さん」

身を切られる様な鋭さを言葉の中に本能的に感じて、彼女は命じられた通りに

俯せのままで両手を背中に回す。

「あっ… 」

ひんやりとした縄の感触が、彼女の被虐の血を一気に沸点近くにまで押し上げ

る。

「さあ、起きて、今度は胡座をかくんだ」

どちらかと言えば野性的で小麦色に日焼けした肌のよく似合う兄に比べれば、

白い肌に華奢な四肢の持ち主である弟なのだが、目の中に宿る妖しくも猛々し

い光りが、二人の兄弟が同質の獣である事を如実に物語っているだろう。

その目の光りにすっかりと魅せられた須磨子は、まるで兄の進一に命じられて

いる様な錯覚に陥りながら、背中で両手を拘束された苦しい姿勢で、全裸にも

関わらずベッドの上で胡座をかく。

「そうそう、そのまま動かないで下さいね」

口調は進一とは違って、あくまでお願い調なのであるが、台詞の根底に流れる

冷たさに幻惑されて、彼女は胡座の姿勢を強いる縄掛けを従容と受け入れてし

まう。

「よし、これで完成だ。おまたせしましたね、須磨子さん」

ボーイッシュな年上の美女を昔の罪人の様な格好に縛り上げた美少年は、勢い

を付けて彼女を突き飛ばす。

「きゃぁぁ… 」

胡座をかいた姿勢のままで、両手を背中で拘束された彼女はゴロリと前のめり

に転がってしまう。座骨を頂点に顔と膝で体重を支える三角形の苦しい姿勢だ

が、通称、達磨転がし、を喰らうのが初めてでは無い須磨子は、美少年との最

初の性行為に掛けていたピースが、しっかりとはめ込まれて来るのを感じて股

間を濡らす。

(ああ… だめじゃない、なんで、拒否しないの? こんなに嫌なのに… も

 う絶対に、嫌だって言うつもりだったのに… )

自由を奪われた末のセックスに溺れて、被虐の果てに到達する妖しくも鮮烈な

快美に幻惑された須磨子は、今日こそアブノーマルなセックスから抜け出す決

意を固めて、この家にやって来た。しかし、現実では美少年の命令に従い易々

と縄を掛けられている。

 

 

 


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