その12

 

 

 

 

実の姉に胸元を玩弄されて、本来ならばおぞましさに支配されるべきなのであ

ろうが、何故か鋭い快感が背筋を突き抜けて加奈子を驚かせる。

「ねっ… 無駄口なんて叩いていられないでしょう? だって、このお薬った

 ら、すごく効くんだもの… 私も最初に使ってもらった時には、気が狂いそ

 うに成ったモノよ」

姉の台詞の意味を計りかねる加奈子だが、その手で愛撫される胸元から沸き上

がる様な快感の前に、なにか異常な代物を感じて身が竦む。

「お姉ちゃん、何をしたの? ねえ、いったい、これはどう言う事なのよ? 」

「うふふ… 赤くなって、可愛いわよカナちゃん。でも心配はいらないわ、だ

 って彼方は私の妹だもの。絶対に馴染んでくれるでしょうね。それにしても

 … 少し悔しいわ」

姉の常軌を逸した行動に対して、何か辛辣な事を言い返したい加奈子だが、パ

ニックに陥った彼女を黙らせる様な快感が、胸元から次々と溢れ出して、その

心地よい波動は全身へと伝わって行く。

実の姉によるアブノーマルな状況での愛撫にも関わらず、嫌悪感は次第に薄れ

てしまい、性感が過剰に膨れ上がる事に加奈子は狼狽する。しかも、姉はさら

に空いている方の手を使い、巧みに彼女の首筋や肩、それに羞恥で赤く染まっ

た耳たぶまでも、やさしく撫で上げて来るのだ。

「感じるでしょう? だって、とっても素敵なお薬を、彼方のマ○コにたっぷ

 りと塗ってあげたんですもの。初めてならば、とっても気持ち良くなるわ」

「なっ… 何を塗ったの? いやよ、こんなの。お姉ちゃん、やめて! 手を

 離して、あっ… だめ… いやぁぁぁぁ… 」

姉の非道を詰る加奈子の声が震えて、両脚を開いたままで固定された不自由な

裸身が小さく仰け反る。指の間に挟み込んだ乳首を力を込めて絞り上げた姉の

手管の前では、処女である加奈子の憤りなど、その快美に吹き飛ばされてしま

う。信じられない様な峻烈な快感に翻弄される加奈子は、混乱しながらも暴走

する己の性感を押さえ付ける為に歯を食いしばってみるが、同じ女として泣き

どころを弁えた芳美の愛撫の前では、つい情けない声が唇から溢れてしまう。

「あふぅ… だめよ、お姉ちゃん、やめて、ああ、もう、そんなに… しない

 でぇぇ… あぁぁぁぁぁ… 」

処女地へと塗り込まれた催淫クリームの成果である、異常な気の高まりの原因

が分からぬままに、加奈子は姉の愛撫の前に徐々に崩れて行く。

「あら、感度が良いのね、処女のくせに… 案外、カナちゃんて淫乱なのかし

 ら? 」

若さ溢れるピチピチとした肌に、薄らと汗を浮かべて身悶えする妹の反応の良

さを眺めながら、芳美は勃起した妹の桜色の乳首を指先で捏ね回す。

「きゃぁぁ… だめ、そこ、摘んだら、あぁぁ… いやぁぁぁ! 」

まだ男の手で弄ばれた事の無い乳房を、同性の、しかも姉によって嬲られる事

には抵抗があるが、それでも媚薬により狂った性感を持て余す加奈子は、これ

まで知らない峻烈で甘美な快感の前に、艶っぽい悲鳴を抑えられない。

「やめて、お姉ちゃん、おねがい、もういや… あっ… いやぁ… 」

「あら? 本当にイヤなの? そんなはずは無いわよね、だって、ほら、ここ

 は… 」

それまでわざと無視してきた股間に、いよいよ芳美の手が伸ばされる。すっか

りと潤った秘裂の表面を微妙なタッチで撫で上げてやれば、案の定、指先は処

女の淫汁でべっとりと濡れている。

「ねえ、こんなに濡らしておいて、それでイヤだは、無いでしょう? 嘘つき

 なのねカナちゃんは。うふふ… 」

だが、加奈子の方は、そんな姉の理不尽な問い掛けに答える余裕は無い。胸元

を始めとする上半身に加えられた濃密な愛撫で高まっていた性感は、急所に対

する不意打ちのせいで一気に暴走しているのだ。ただ縛られた上での玩弄であ

れば、こうも脆くも崩れる事は無い。しかし、塗り込まれてしまった強烈な媚

薬は確実に処女の性感を狂わせて愉悦に溺れさせている。

「あらあら、こんどは黙り? シカトされるのは嫌いよ、ワタシ」

ただ表面を軽く撫でられただけで、その圧倒的な快感に打ちのめされて言葉を

無くした妹に向って芳美は追い討ちを掛けてくる。彼女は処女膜に気を付けな

がら、濡れた肉襞を2本の指で割り開き、まだ他人の手に触れられた事の無い

ピンク色の粘膜を嬲って行く。さらに、姉の玩弄が敏感な肉芽にまで及べば、

もう加奈子は正気を保ってはいられない。

「ああ… やめて、お願い、お姉ちゃん、そんなに、されたら… きゃぁぁぁ

 ぁ… 」

同じ女である姉は、弱点を知り抜いた執拗な愛撫で加奈子をいたぶり苛み続け

る。如何に処女と言っても、こんなにもしつこく弄り回されてしまえば、発情

は露だ。しかも、妙な媚薬まで使われてしまっていれば、もう加奈子には逆ら

う術も無い。

「まあ、可愛い声で泣くのね。このまま滅茶苦茶にしてあげたいけれど、それ

 では御主人さまに怒られてしまうわ」

姉の言葉の恐ろしい意味も分からぬ程に、加奈子は欲情が膨らみ淫に狂ってい

る。それまでの胸元や首筋への愛撫に比べて、より直線的に性感に切れ込む女

陰嬲りを喰らってしまい、もう哀れな乙女は半狂乱だ。しかも相手は無骨な男

では無くて女の弱味をよく知る姉なのだから、その愛撫の巧みさに彼女は言葉

を失い熱い喘ぎ声を漏らすばかりに追い詰められている。

「どうかしら? 気持ちが良いでしょう? でも、こんなのは子供のお遊びな

 んだから… 世の中には、もっと凄い快感があるのよ。そして今夜、彼方は

 目覚めるの。小娘から女に変わるのね。うふふ… 楽しみだわ、あのカナち

 ゃんが、どう成っちゃうのかしら? 」

芳美は嬉しそうに微笑み掛けてくるが、加奈子はもうそれどころでは無い。物

心付いてからは誰にも触らせた事の無い秘裂に対する、処女膜に傷を付けない

様に気を配りながらの中途半端な愛撫であるが、それでも塗り込まれた強力な

媚薬の効果も手伝って、彼女の脳乱は深まるばかりだ。なにしろ、気紛れに芳

美が手を引いてみせれば、なんと愛撫を求めて妹の腰は恥を忘れて浮かび上が

る始末だった。

「ねえ、御主人さま、御覧に成って。御主人さまの言う通りですわ。淫乱女の

 妹は、やっぱり淫乱みたいです。カナちゃんてば処女のクセに、ちょっとオ

 マ○コを弄ってあげただけで、もうこんなに濡らしているんですよ」

姉の台詞に、この寝室のもうひとり傍観者がいた事を知らされて、加奈子は仰

天した。

「やあ、本当だね。加奈子ちゃんも、芳美に負けないくらい、立派な淫乱女の

 様だ」

満を持して登場した常男の言葉に、全裸で縛られた末に醜態を曝してしまった

加奈子は目眩すら感じる程に衝撃を受けていた。

「いやぁぁぁぁ! 見ないで、お義兄さん… そんな… お願い、見ないでぇ

 ぇぇぇぇ… 」

 

 

 

 


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