その13

 

 

 

 

「ふふふ… きょうも、あっさりとイッたものだ。主人を放り出しておいて、ひ

 とりでイクとは、けしからん奴隷女だな」

日頃の温厚な仮面を外して妻を責める義父の豹変ぶりが、美咲を痺れさせている

。この後に、おそらく義父は母を悶絶に至るまで責め苛み続けるのだ。無惨に崩

れて行く母親の事を見ていられなくなり、美咲は興奮を抑えつつ覗き穴から身を

離す。

隣室の淫らな遊戯にすっかりと刺激された美咲は、物音を立てぬ様に気を使いな

がら、そっと地下の小部屋を後にする。母親と義父のSMプレイを生で見せつけ

られた少女は、カラカラに乾いた咽を潤す為に、一旦は台所に立ち寄り、冷蔵庫

からよく冷えたミネラルウォーターを取り出して、些か品性には欠けるがラッパ

飲みする。

躯の乾きを癒してみても、あの地下室での大人のアブノーマルな遊戯を見せつけ

られては、心の疼きはおさまらない。ペットボトルを冷蔵庫に戻した美咲は、逡

巡を放り出す様に2〜3度首を激しく振ってから、キッと唇を噛み締めて宙の一

点を睨み付けた。

「私は、溺れたりはしない… そう、楽しむだけよ。お母さまみたいに、溺れた

 りはしないんだから」

地下室で義父の手に掛かり拘束されて責められた挙げ句に、随喜の涙を絞り身悶

える母親に自分の将来を重ねてみて、同族嫌悪に陥った美咲は、自分はあんな風

に暗い愉悦に堕ちたりしないと、拳を握りしめて決意を固める。

だが、同時に地下室の光景をまた目撃してしまった結果、躯も心も強烈な飢餓感

に苛まれている彼女は、ちいさく一つため息を吐くと、無闇に広い豪奢な台所を

後にした。広大な屋敷の南側の庭は、他とは違って日本風の庭園が設えられてい

て、その奥には古風な離れが鎮座している。

もっとも離れと言っても、並みの一軒家よりも大きく、義父の一族の財力を如実

に物語っていた。母屋である洋風の大邸宅から離れた美咲は、玉砂利の敷き詰め

られた散策路を通って、少し離れた純日本家屋へと足を向ける。地方に残ってい

た古民家をわざわざ解体して、古い木材を取り寄せて作られた離れは、趣のある

概観を今日に伝えていた。

離れの右側には、これまた田舎から材料を取り寄せて復元された古式ゆかしい土

蔵が3つも軒を列ねて並んでいる。ここで暮らす義父の父親、美咲にとっては義

理の祖父は骨董品の収集が趣味であり、土蔵には古今東西の名品や珍品がところ

狭しと並べられている。美咲は一番手前にある土蔵を見上げて、少し頬を赤らめ

た。

(溺れるんじゃない… 楽しむんだもの。私はお母さまとは違う… )

美咲は大きくひとつ深呼吸をしてから、間口の広い玄関の引き戸を開け放つ。

「ただいま、お爺ちゃん」

日当たりの良い長い縁側を早足で通り過ぎた少女は、奥まった座敷きに通じる襖

を開き、祖父に来訪を知らせる。

「おう、美咲。遅かったな。なにか楽しい事でもあったのかい? 」

源蔵は手にした李王朝時代の小ぶりな壷を床の間に戻して、可愛い孫に微笑み掛

ける。

「いいえ、別に、いつもと変わらない週末よ」

たまり場であるマンションで学校の制服に着替えてから家に戻った美咲はどこか

ら見ても優等生な美しい少女である。しかし、この小悪魔の正体を、家族の中で

は祖父の源蔵だけが知っていた。否、美咲を小悪魔にしたのは、この好々爺然と

した年寄りに他成らない。

そもそも、母屋の秘密の地下室の存在を美咲に教えたのが源蔵なのだ。まだ、母

親が義父に嫁いだばかりの、そう… 美咲が中学2年生の夏の事である。義父と

同じく人の良い老人の仮面を被っていた源蔵は、新たに孫娘と成った美咲を得に

可愛がり、それまでは親類縁者との繋がりの薄かった少女も、無条件で愛情を示

してくれた血の繋がらぬ老人によくなついていたものだ。

母ひとり娘ひとりの濃密な親子関係から、義父に母親を取られてしまった落胆は

大きかったが、聡明な娘は母親の幸せを考えて、けして陽子を困らせる様な行為

には及ばない。しかし、母親との間に義父が介在することに成り、その反動とし

て、美咲は義理の祖父である源蔵になついたのかも知れない。

そして、義父のサディストの血を受け継がせていた老人を狂わすのに、美咲は十

分な美しさを持っていたのだ。日々女としての色香を重ね増やす血の繋がらぬ孫

娘に欲情した源蔵は、ついには己の邪な気持ちを抑えきれなく成り、あの地下室

の存在を美咲に告げてしまう。

夏の熱い盛りの週末の夜に、まだ中学生だった美咲は、この世の中で一番面白い

ものを見せてやるという源蔵の台詞に好奇心を膨らませて、そっと豪邸の地下に

忍んでいた。秘密を絶対に守ること、それから、声を絶対に漏らさないことを約

束させらた少女は、存在すら知らなかった地下室での冒険に胸ときめかせていた

のだ… そう、あの節穴から隣室の光景を覗くまでは… 

当然処女であり、しかもオナニーを覚えたばかりであった美咲にとって、拘束さ

れた全裸の母が義父に責められて媚びた悲鳴を張り上げるプレイは、あまりにも

衝撃的な光景であり、源蔵が後ろから口を手で封じていなければ、おそらく驚き

の声を上げる事を我慢は出来なかったであろう。

義理の祖父の手でしっかりと口を塞がれてしまってはいたが、美咲の目は隣室の

淫らな行為から目が離せない。幼いながらも、これが人目を憚るアブノーマルな

行為である事を察して、少女は祖父に口を塞がれたままで静かに盗み見を続けた

ものだ。

陽子が優しく静かな母親の仮面をかなぐり捨てて、2度目の夫となった義父の手

で責められる有り様を余すところなく見てしまった少女の衝撃は計り知れないほ

どに大きく、だからこそ、源蔵の空いた方の手がスカートの中に延ばされてきた

事にも、しばらくの間は気付かなかった。

母親の媚態を盗み見している最中に、股間をパンティ越しに撫でられる心地よさ

に、あの時の美咲は陶然とした顔で酔いしれている。まんまと祖父の邪な目論み

にはまってしまった少女は、その後で再び離れに連れ込まれて、そこで源蔵に処

女を奪われていた。

義父と母親の生々しいアブノーマルな肉交を目の当たりにした後だった事もあり

、わけの分からぬままに義理の祖父の剛直に貫かれた美咲は、やはり女に慣れた

源蔵の手管の前で虜にされて、一週間もしないうちに女の悦びに目覚めてしまう

以来、義理の祖父の愛人となった彼女は、己の血脈に流れる被虐を悦びとする忌

々しい性癖に悩まされる様に成っている。母親譲りの被虐癖に逆らう為に、学校

では後輩の美少年を喰い、また繁華街の怪し気なクラブで乱痴気騒ぎをくり返し

てみても、結局、美咲はこの家に戻って源蔵を訪ねてしまう。

「また、地下で覗いて来たんだろう? 」

黒檀の立派なテーブル向こう側に陣取る老人の問いかけに、美咲は眉をつり上げ

る。

「どうして、そう思うの? 」

「分かるさ。なにしろ、陽子と同じように牝の発情した臭いをプンプンとまき散

 らしておるからのう」

趣味で集めている骨董品の壷を眺める様に、すっと目を細めて源蔵は愉快そうに

言い放つ。酷い台詞ではあるのだが、それでも美咲は反発する気持ちが持てない

でいた。反感を覚えるよりも躯の芯が妙に疼いて、気をしっかりと持っていない

と、その場にヘタリ込みそうに成ってしまうのだ。

 

 

 

 


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