「一応は礼を言っておくぜ、ありがとうよ、源内さん。それじゃ、俺達は祠に 行くぜ」 老人の返事も待たずに、2人の逃亡者は忌諱所として知られる山の社に向って 駆け出した。 (ふん… 哀れな連中じゃ。だが、まさか儂が自分で結界を破るわけにも行か んからな。まだまだ命は惜しいわい) 単に西の衆に意趣返しを目論む傀儡使いの老人の独白を知る由も無く、2人は 山に向って駆け去った。
「これでよい… 」 小さな祠の中に描かれた紋様の内の幾つかを小刀で削り取った三沢は、最後に 源内から受け取った古いお札を震える手で張り付ける。 「ふぅ… 」 作業を終えた三沢は額に脂汗を滲ませながら、忌々し気に祠から後ずさる。 「なあ、三沢さん。はやく、その結界ってヤツを解放してくれよ。グズグズし ていると、追っ手が来てしまうぜ」 苛立つ智徳は左右をせわしなく見回して、年上の殺し屋をせっつく。 「もう、解いたよ」 三沢は冷や汗を拭いながら若者に答える。 「解いたって… 何も変わらないじゃないか! 化け物狐は現れないし、周り の雰囲気だって、何の変化も無い。物怪の気配もしない」 智徳は三沢の言葉が信じられずに、つい声高に問いつめる。 「何を言われようが、作法に従い結界は解いたんだ! まさか、源内の奴に誑 られたのか? 」 何一つ変わる事もなく静まり返る社を前に、三沢の目にも不安の光が宿る。そ の時… 「なあ、三沢さん、見ろよ。いい女じゃないか? 」 余りにも緊張感に欠けた智徳の台詞に、思わず彼は耳を疑いながら振り向いた。 「馬鹿な! 女だって、この山奥に? そんな… 」 しかし、智徳の指差す先には、たしかに一人の妙齢な美女が何故か肌襦袢姿で 佇んでいるのだ。2人の逃亡者達は、立場を忘れて彼女の艶姿に魅入られる。 「ああ、良い女だ… 」 既に三沢の頭の中には西の衆の主導権争いも、彼等を追い掛ける親衛隊への危 惧も、ここが妖弧の住処である事も忘れ去られている。どこからか香る悩まし く男の心をかき乱す匂いに、すっかりと痺れて逆上せていた。それは、傍らに 控える若い智徳の一緒だ。 「久しぶりの男… いらっしゃい、楽しみましょう」 2人を誘う彼女の台詞は、智徳の耳には鈴を転がす様に可憐な声に、そして三 沢には、ハスキーな大人の声色に聞こえている。香しい匂いと男心をくすぐり 誘う声に引かれて、2人はフラフラと彼女の元に歩み寄る。 「ほら、脱ぎなさいよ… 犯りたいんでしょう? 」 彼女の言葉に頷くと、2人は時や場所柄、それに各々が置かれた切羽詰まった 立場も忘れて、ズボンと下着を脱ぎ捨てる。その顔は緩み、智徳に至っては半 開きの口の端から、だらしなく涎までも滴らせている。爆発的な欲情に支配さ れた2人は、それぞれ目一杯に勃起した一物を彼女の前に差し出した。 「あら、立派ね、うふふ… 」 下半身を丸出しにした男達の前に、謎の美女は当然のごとくに跪く。まず、若 い智徳の男根に指をからめるとゆるゆるとしごき始め、次いで三沢のそれにゆ っくりと唇を寄せて行く。妖艶な美女は口を開き、何ら躊躇いも見せずに亀頭 をすっぽりと可憐な唇で包み込んだ。 (くぅぅ… なんて感触だ… これは、この世のモノとは思えん! ) 裏の世界を渡り歩き、それなりに女との経験を重ねて来た三沢があっさりと唸 る程に、この美女の口での愛撫は巧みであり、彼は瞬く間に魂までも震えさせ ている。 「ふわぁぁぁぁ… なんだよ? これ? 手コキなのに… くぅ… もう、出 そうだ… 」 情けない声を張り上げる隣の若者を見れば、瞳を虚ろに見開き涎を垂らして一 物を彼女に嬲られている。若い智徳とて、裏の世界では少しは知られた男だか ら、たかが手での愛撫にこれほど脆いわけは無い。しかし、三沢は若者の事を 構う余裕を失っている。彼も少しでも油断をすれば、この美女の口に噴いてし まいそうなのだ。智徳を手玉に取りながら美女は口に含んだ三沢の一物を淫ら な仕種で舐め回す。その巧みなフェラチオに煽られて、もう彼の一物は臨界点 へと達してしまう。 「ふぁぁ… はぁぁぁぁぁ… 」 先に崩壊したのは、若い智徳の方だ。美女の手の中で爆ぜた一物は、ぴくぴく と震えながら白濁の汁を噴き出してしまう。 「まあ、もったいない… 」 慌てて三沢の剛直から唇を離した彼女は、若者が噴いたザーメンを惜しみつつ 、手に残った残滓を舌で舐め清める。 「そんなに慌てなくても良いのよ、私は何処にも逃げないから… 」 最初に一発を放ってしまった若者の股間を巧みに嬲りながら、美女は再び三沢 の剛直に唇を戻す。喉咽粘膜までもが妖しくざわめく様に感じられる口での愛 撫の前で、三沢も長くは持たない。 (くっ… もう、我慢ならん! くぅぅぅ… ) 智徳に続いて三沢も彼女の口の中にへと、思う存分に精をほとばしらせた。し かし、謎の美女は避ける様子を見せるどころか、最後の一滴までザーメンを搾 り取る様に唇を窄めて吸い上げてくるではないか! 素晴らしい吸引力の前で 、三沢は腰が砕けそうな放出感に浸り、目を細めてブルブルと尻を震わせた。 「あふぅ… おいしい… 久しぶりの男の精だものね、クスクス… 」 すっかりと己の術中にはまった2人を前に、美女は唇の端から滴り落ちる三沢 のザーメンを指先ですくい取ると、まるで彼等に見せつける様に舌を出して舐 め取って見せた。 「まだ、大丈夫よね… もっと楽しませてちょうだいよ」 彼女は立ち上がると薄桃色の肌襦袢をスルリと脱ぎ去る。眩しい程に白い肌を 露にした美女に、たまらずに智徳がむしゃぶり付く。射精の後の虚無感に惚け る三沢を横にして、若者は勢いを保ったままの一物を彼女の蜜壷へと突き出し た。 「そうよ、ここよ、ほら、あなたが欲しくて、こんなにびしょ濡れなんだから 。さあ、入れて、思いきり楽しませてちょうだい」 彼女に言われるまでも無く、智徳の興奮は膨れ上がっているから、若者の剛直 は導かれるままに美女の淫穴の中に沈んで行く。
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