その2

 

 

 

 

まだ加奈子をオナニーのネタに使うのを憚っていた頃であっても、いち早く陽

子は少年の妄想の中で全裸を曝して、やさしく大人の世界を教えてくれていた

。隣家の二人の美しい異性を想像の中で辱めながら、智博は幼馴染みのショー

ツをオカズにオナニーに没頭して行った。

学校が終わると智博は友人の道草の誘いを一切振り切って、鞄を抱えて帰路を

急ぐ。

(チャンス! すごいチャンスだ! いそげ! いそげぇぇぇぇ! )

まだ強い日ざしが残る昼下がりの通学路を、少年は滴る汗を拭う事も無く家路

を急いだ。正確に言えば家路では無く隣家を目指してひた走る智博は、千載一

遇のチャンスを迎えて、なおさら胸の鼓動を昂らせている。事の起こりは今日

の昼休みの事である。ふらりと中学生の校舎に加奈子が姿を見せたから、級友

達のやっかみやからかう声を背に受けて、彼は必要以上にぶっきらぼうに憧れ

の少女を出迎えた。

 

「なっ… なんの用だよ? 」

美しい幼馴染みを前にして興味津々の級友の手前、智博は半ば照れて半ば困惑

しながら問いかける。

「アンタ、私の部屋のステレオの使い方、まだ憶えているわよね? 」

「憶えているも何も、あれはボクがセッテイングしたんじゃないか! 」

勢いで高額な音響機器を購入したのは良いけれども、配線が上手く行かないと

泣きつかれたのは、ものの二ヶ月ほど前の事だったから、智博は呆れて言い返

す。

「あれ? そうだったかしら? まあ、いいや。それなら、コレをMDにダビ

 ングして欲しいのよ」

彼女は売り出されたばかりの人気アイドルグループのCDを差し出す。

「これ、真弓に借りたんだけれど、ほら、アタシ、部活があるでしょう? で

 も、次にも借りたいって子がいっぱいいるから、明日までに返さないといけ

 ないのよ。遅くに帰って、それからダビングなんて、面倒じゃない? その

 点、トモは帰宅部だし、中学は水曜日は5限で終わりでしょう? だから、

 アタシの部屋のステレオを使ってダビングしておいて」

なんとも、あっけらかんと語られる加奈子の台詞に智博は驚き目を見開く。

「MDは部屋の左の棚に新品が並んでいるから、分かるでしょう? それから、

 これはアタシの家の鍵よ。たぶんママは家にいると思うけれど、もしも買い物

 にでも出かけていたらマズイから、もって行ってちょうだい。それじゃ、お願

 いね」

天から落ちて来た様な幸運に恵まれた少年は、CDのケースと、可愛いハートの

キーホルダーの付いた鍵を押し付けられて、しばしその場に呆然と佇んでしまう

(ひとりっきりで… 堂々と加奈姉ちゃんの部屋に入れる。しかも、しばらくは

 部屋に居る口実すらもらえた… これは夢じゃ無いよな? )

たった一人で憧れの幼馴染みの部屋に暫しの間滞在が可能と成った幸運を心の中

で噛み絞めながら、智博は懸命に自宅を、いや、隣家を目指して駆けて行く。

「はあ… はあ… はあはあ… 運動不足かなぁ? はあ… はあ… 」

ようやく隣家に辿り着いたものの、学校からずっと駆け通しだった智博は門柱に

片手を付いてゼイゼイと息を切らせて喘いでいる。彼が住む家に比べると質素で

こじんまりとした建て売り住宅であるが、今の智博にとっては宝物が納められた

宮殿にすら感じられている。隣家の主婦の陽子に怪しまれぬ様に、なんとか呼吸

を整えた少年は震える指で呼び鈴を押す。聞き慣れたチャイムの音は確かに響い

ているが、中から応答の気配は無い。

「あれ? やっぱり買い物にでも出かけているのかな? 」

もしも陽子が不在であれば、これに勝る僥倖はあるまい。彼は少し待った後にポ

ケットから加奈子に託された鍵を取り出して、静かに玄関の施錠を解く。中に足

を踏み入れた少年は、再び息をひそめて室内の気配を窺って見るが、どうやら留

守の様だ。彼は靴を脱ぐと勝手知ったる様子であがりまちの脇の階段を昇って行

く。幼い頃から何度も遊びに来ている上に、最近でも何かにつけて部屋に呼び出

されていたので、智博は迷う事も間違える事も無く加奈子の部屋に辿り着く。

「最初に仕事を片付けて… その後で探索だな」

言われた通りに棚から新品のMDを取り出した少年は、慣れた様子でステレオを

操作して頼まれたCDをダビングして行く。これで少なくともしばらくは、彼は

幼馴染みの年上の少女の部屋にいる名目を与えられた事に成る。彼は都合良く外

出してくれている陽子の帰宅を恐れて、ステレオのボリュームを完全に落してか

ら、いよいよ憧れの花園の物色に取りかかった。

最初はクロゼットを開き、吊り下げられた色とりどりの洋服をザっと眺める。年

頃の少女のコレクションは如何にもきらびやかに思えて、智博はそれだけで胸が

いっぱいだ。なにしろ部屋に入ったときから、甘酸っぱい香りに圧倒されて目眩

を感じる始末だった。

けして、この部屋に足を踏み入れるのは初めての事では無い。しかし、一人きり

で加奈子の不在の部屋に入るのは、物心付いてからは初めての事であろう。完全

に彼の事を子供扱いしている加奈子だったから、まさか子分の少年が邪な企みを

胸に秘めて、こうして部屋に乗り込んでいるとは夢のも思わない。そんな幼馴染

みの少女の油断に付け込んだ智博は、クロゼットを閉めるといよいよ本命である

整理タンスへと近付いて行く。

幅の広い引き出しの一番上の段を開いてみれば、そこにはキチンとたたまれたシ

ョーツ類がぎっしりと詰め込まれているではないか! 色とりどりの下着類を眺

める少年の顔には至福の笑みが浮かんでいる。

「でも、これって、やっぱり手を付けられないよなぁ… こんなにちゃんとたた

 めないもの」

本来ならば一枚一枚手に取って、広げてみたいところではあるが、どういう具合

にたたんであるのか、よく分からない事から、彼は慎重を期してタンスの中のシ

ョーツ類に手を出しのを控える事にした。2段目の棚にはブラが、そして3段目

の棚にはソックス類が、これもまた整然と並べられている。盗み見した痕跡を少

しも残さない様に気を付けながら、彼は最後に一番下の引き出しの中身を改める

(あっ! これって、ナプキンだよね)

テレビのコマーシャルでしか見た事の無い生理用品を発見した少年は、それだけ

で股間が痛いくらいに勃起するのを感じている。あの加奈子が生理用品を使って

いると思うと、なにか得体の知れない強烈な興奮が膨れ上がって少年を悩ませる

。使いかけの袋の中身を確かめたい欲求に襲われた智博であったが、自制心をフ

ル動員して邪な欲望を退ける。

「もしもバレたら、半殺しだもんな… いや、半殺しならば良いけれど、無視さ

 れる様に成ったら困るもの」

彼は、そっと引き出しを閉めると、整理タンスを離れて他に場所の探検に取りか

かる。猫の可愛いぬいぐるみの置かれているベッドから枕を取り上げた智博は、

長い髪の毛が落ちていたマクラに顔を押し付けて胸いっぱいに加奈子の残り香を

吸い込んだ。

「くぅぅ… いい匂いだなぁ。なんでこんなに良い匂いなんだろう? 」

何の事は無い、まだ香水など使わぬ少女だから、愛用しているシャンプーの香り

に他成らない残り香であるが、それでも加奈子の匂いだと思うと智博の胸の鼓動

は早鐘を狂った様に打ち鳴らしている。その後も、絶対に形跡を残さぬ様に気を

付けながら、彼は室内の思い付く限りの場所を探索して回っていた。

 

 

 


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