その3

 

 

 

 

「ふぅぅぅぅ… 最高! 」

あらかた色々な場所を見終わった少年は、学習机の椅子に腰掛けて深いため息

を漏らす。本当ならば毎晩加奈子の眠るベッドに横たわり、仄かに残る彼女の

匂いに包まれたままでオナニーに耽りたいところであるけれども、すこしでも

邪な行為の痕跡が残る事を恐れた少年は、迷った末に野望達成は次のチャンス

を狙う事にする。

最初に疑われなければ、この先にも、まだまだ機会はあるだろうと考えた智博

は最初の興奮が冷めると、にわかに尿意を覚えている。彼は勉強机の椅子から

立ち上がり部屋を出て、トイレに行く為に階段を降りて行く。小さい頃から何

度も遊びに来ているから、トイレの場所を探す事も無い。廊下の一番奥の個室

を目指して、彼は足取りも軽く進んで行く。

『あぁぁぁぁぁ… 』

(えっ? なに? 誰かいるの? )

呼び鈴に反応が無かったことから、てっきり無人と信じていた隣家の1階に人

の気配があった事から、智博は驚き足が止まる。彼はキョロキョロと辺りを見

回すと、ふたたび人の声が耳に飛び込んで来た。

『あひぃぃぃぃ… いい、いいの… あぁぁぁぁ… 』

(こっ… これ、これ、これって… もしかして、よがり声? まっ、まさか

 、そうなの? でも、だれ? あの、陽子さん? うそ〜〜! )

たしか夫婦の寝室として使われているハズの部屋のドアの前で立ち竦む少年の

耳には、次々と艶っぽい声が聞こえて来る。さほどには切迫していなかった事

もあり、本来の目的だった尿意がどこかに吹っ飛んでしまった少年は、そっと

寝室のドアに耳を押し当てて中の様子を盗み聞きする。すると、悪友から借り

たアダルト・ビデオの様なあられもない悲鳴が、たしかに部屋の中から響いて

来る。

(やっ、やっぱり、陽子さんだよな。でも、おじさんは、今朝も会社に行って

 いるハズだし… おかしいな? まさか、浮気? )

公務員である加奈子の父親とは毎朝駅で顔を会わせる事から、今日も役所へ出

勤しているのは確かだった。だから、白昼堂々の営みが夫婦の営みで無い事は

明らかである。思いも寄らぬ事態に驚いた少年は、そのままドアの外から中の

状況をしばらくの間、盗み聞きしてしまう。

『だめぇぇぇぇ… そんなに強くしたら、また、いっちゃうぅぅぅぅ… ああ

 、ゆるして、おねがい、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ… 』

室内で繰り広げられているであろう狂態は、いよいよ佳境の様に思えるから、

少年は中を覗いてみたい欲望を抑え切れなく成っている。彼は前後の見境を無

くして、ついにはドアノブに手を掛ける。

(おちつけ、そっと、そっと… ばれたら、たいへんだ)

幸いドアは音も無く開き、彼は隙間から中の光景を覗く事が可能に成る。昼間

なのにカーテンの降ろされたうす暗い寝室のベッドの上には、たしかに男と女

が全裸で横たわっている。男に担ぎ上げられた陽子の太ももがひどく艶かしく

、すらりと伸びた脚が揺れるところを見ただけで、もう智博は鼻血を心配しな

ければ成らない。

(せっ… セックスしている、陽子さんが、だれかと、セックスしているんだ

 ! )

正常位でのしかかっている男の背中には、間違い無く隣家の美しい人妻の両手

が回されていて、この行為が二人の合意の元に営まれている事が察せられる。

しかも、男が強引なほどに力強い律動を続けて行くと、陽子の嬌声も手放しに

成っている。

「いい… いいの… もっと… ああ、すてき… あぁぁぁぁぁぁぁ… 」

赤銅色に焼けた男の背中とは対照的に、抜ける様な白い肌の人妻が揺さぶられ

ながら漏らす悲鳴が覗き小僧の股間を直撃する。明らかに陽子も、この昼間の

情事を楽しみ快楽を貪り喰らっているように見えた。まさか、部屋の外から覗

いている者などいないと信じる二人の行為は、ますます獣じみた風情を醸し出

して行く。

「どうだ? 陽子? 旦那と比べて、俺のほうがイイんだろう? もっとも、

 旦那はインポだったよな? ガハハハハハハハ… 」

「いい、あなたの方が、ずっと、いいの… ああ、恥ずかしい… あっ… あ

 ぁぁぁぁぁぁぁぁ… 」

やはり相手が隣のおじさんでは無かった事にショックを受けた智博であったが

、それよりも肩幅の広い男の台詞を耳にして彼は強い不安に襲われた。

(こっ… この、声、まさか? 嘘だろう? )

生まれて初めて男女の性の営みを間近で生で見た興奮が吹き飛んだのは、精強

な男の声に確かに聞き覚えがあるからだ。そんな少年の疑念をよそに、室内の

興奮のボルテージは天井知らずに駆け上がっている。

「ひぃぃぃぃ… いいの、卓三さん… すてき… こんな… きゃぁぁぁぁぁ

 ぁ… 」

「おう、俺もいいぞ、陽子。お前のマ◯コは最高だぜ」

土方焼けした背中が揺れて、卓三がラストスパートに取りかかって行く。そん

な大男の後ろ姿を、ドアの隙間から覗き見る少年は、事実を知らされて呆然と

成っている。

(おっ… おやじ? まさか、でも卓三って… えぇぇぇぇぇぇぇ)

思わずドアノブを握る手にも力が隠る。なにしろ卓三と言えば、智博の父親の

名前なのだ。しかし、言われてみれば、陽子を組み付している広い日焼けした

背中は土木建築業を営む父親のものに相違ない。最初はうす暗い室内で揺れる

陽子の真っ白な肌に目を奪われていたものの、こうして落ち着いてくれば、全

裸で互いを貪り合う片割れが己の父親であることは容易に察しが付いた。廊下

で我を忘れて立ち竦む少年をよそに、ベッドの上の二人はすっかりと快楽に溺

れている。

「どうだ? 陽子? 俺の魔羅は? あん? どうなんだよ? 」

「ひぃぃぃぃ… いいです、おおきなオチンチン… ああ、これ、大好き。陽

 子は大きなぶっといオチンチンが好きな、いけない人妻ですぅぅぅ… もっ

 と、ああ、もっと、お願い… あひぃぃぃ… 」

卓三の趣味で。わざといやらしい台詞を言わされている陽子であるが、初めて

隣家の主婦の狂態を見た少年には、そんな事情はわからない。ちらりと盗み見

れる横顔には、いつもの落ち着いた陽子からは想像できない淫蕩な笑みが浮か

び、時折目を細めてガクガクと頭を揺する人妻の艶っぽさは、彼女にたいして

も仄かに憧れの情をもっていた少年を大いに打ちのめす。そんな隣家の美しい

人妻の事を、卓三は言葉でも責めて行く。

「なんだよ? 今日も最初はあんなに拒んでおきながら? 入れてしまえばヒ

 イヒイと煩い淫売じゃないか? そら、これが好きなんだろう? 俺の魔羅

 がさぁ? 」

「あひぃぃ… だって、家では… だれか来たら、あっ… あぁぁぁ… 加奈

 子が帰ってきたら… あっ… だめぇぇぇぇぇ… そんなに激しくしないで

 ぇぇぇぇ… ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ… 」

ここが自分の家であり、娘が学校に行っている事を思い出した陽子が理性を取

り戻しそうに成ると、卓三は自慢の巨竿で突きまくり、彼女を再び快楽の海へ

と引き摺り込んでしまう。

 

 

 

 

 


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