その2

 

 

 

 

「さあ、おいで、真弓子」

先に湯舟に浸かった哲也が、美しい恋人を誘っている。彼の呼び掛けにかるく

頷くと、真弓子も湯舟に足を浸す。シティホテルにしては比較的に広い浴槽を

持つこの部屋が、彼等のお気に入りなのだ。濡れた恥毛の下に見隠れする肉壷

の感触を思い出した哲也は、息を呑みながら彼女のヌードを間近にする。

一点のシミも見当たらぬ真白い肌の艶かしさに圧倒される哲也に跨がると、彼

女はそのままゆっくりと腰を落して湯舟に浸かって来る。慣れた様子で彼の剛

直を逆手に捕まえた真弓子は、濃密なキスで既に十分な潤いを見せる蜜口に亀

頭を誘い、そのまま慎重に呑み込んで行く。

「あふぅぅぅ… あぁぁぁぁぁぁぁ… 」

お湯の中で剛直の鉾先が肉裂を押し広げる感触が彼女を喘がせる。萎えそうに

成る膝に懸命に力を込めてみるが、己の体重を支え切れなく成った真弓子は、

そのまま恋人の上に腰を落してしまう。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ… 」

風呂場での交わりは初めてでは無かったが、高い浴室内の温度のせいで逆上せ

る気味の彼女は、己の中におさまった肉棒が生み出す快美に酔い痴れる。頭に

血が昇り朦朧と成った美女の艶っぽい姿を見せつけられて、哲也の方も黙って

はいられない。彼は湯の中から手を持ち上げて、彼女の腰のくびれを掴むとゆ

っくりとだが力強く動き始める。バシャバシャと水音を立てる恋人の律動が、

たちまち真弓子を追い詰めて行く。

「ああぁぁ… いいわ、哲也さん」

揺さぶられて後ろへと崩れそうに成った美女は慌てて躯を前に倒して、男の背

中に手を回してしがみつく。肉襞を擦る様に出入りを繰り返す肉棒から生まれ

た快感が、美しい女秘書を艶かしく喘がせた。しかし… 

(やっぱりちがう… 全然違うわ… )

うっとりとした顔つきを装い、彼女を貫く色男を眺める真弓子の目はあくまで

冷静だ。こうして深夜のシティホテルで恋人の腕に抱かれて交わる彼女が強く

感じているのは失望落胆である。だが、それは分かり切っていた事だから、い

まの真弓子は狼狽する事も無い。それに、少なくともつい最近までは、彼女は

恋人とのセックスに十分に満足していた。それがこんなにも色褪せてしまった

のは、けして哲也の責任では無い。

(やっぱり駄目ね、何度試してみても、どうせ答えが同じなのは分かっていた

 けれど… )

湯気の立ちこめる浴室での情熱的な肉の交わりに臨んでいるにも関わらず、真

弓子の心はどんどんと冷えて行くばかりだ。だが、冷めて行く気持ちとは裏腹

に、貪欲に快楽を求める女体は、バスタブからお湯が派手な音を立てて溢れ出

る事も気に止めず、淫らに腰をうねらせている。

「うわぁぁ… 真弓子、そんなに、したら、ヤバイって… くぅぅぅ」

何時に無く積極的に振る舞う美女の前で、エリート商社マンは情けない声をあ

げる。

(こんな程度のことで、悲鳴なんて上げて欲しくないわ。だらしない奴。アイ

 ツならば、あの気持ち悪い薄笑いを浮かべて平然としているハズよ)

慌てる恋人の上で腰を蠢かせながら、真弓子は完全に気持ちが彼から離れてい

るのを痛感する。むしろ、こんな男との逢瀬でこれまで満足していた自分が信

じられない気持ちが強い。

(やっぱり私は変わってしまったんだわ)

「まっ… まってくれよ、真弓子、うわぁ… 」

哲也の悲鳴などお構い無しに、彼女は縦横に腰をうねらせた。貪欲な蜜壷は峻

烈な蠢動を繰り返し、情けない声を漏らす男の一物を締め上げる。

「くぅぅぅ… 真弓子… はぁぁぁぁ… 」

まるで根元から先端に至るまでを蜜壷で揉み苦茶にされる様な甘い締め付けの

前で、哲也はあっさりと降参して精を噴いてしまう。

「あぁぁぁぁ… 哲也、感じるぅぅぅぅぅ… 」

「僕もだよ、真弓子… くぅぅぅ… 」

彼の放出に合わせて咽び泣いくわざとらしい真弓子の演技に気付く事も無く、

哲也は恋人の蜜壷に精液を注ぎ込む快感に酔い痴れた。

 

 

 

「今日は楽しかったわ、ありがとう… 」

送って来た哲也とキスをしてから、彼女は大通りでタクシーを降りる。マンシ

ョンの前まで送ると言う恋人を制して、わざわざ真弓子はここで恋人と別れて

いた。タクシーの尾灯が見えなく成るまで彼氏を見送り手を振った美女は、ひ

とつ小さく溜め息を漏らすと振り返り路地に姿を消して行く。本当ならば2つ

目の角を右に曲がると彼女が暮らすマンションの入り口なのだが、何故か真弓

子は角を行き過ぎて1つ先の路地を右に折れる。

(やっぱり、まだ起きているのね? ノリオくん)

築20年以上であろう老朽化したアパートの2階の部屋を見上げて、まだ窓に

明かりがついているのを確かめた彼女は、邪な思いに胸を高鳴らせながら、そ

っとひとりほくそ笑む。目当ての人物がまだ起きているのを確認した真弓子は

改めて自分のマンションに向かって歩き出す。部屋に戻った彼女は着替えなが

らこれまでの成り行きを思い出していた。

 

 

 

「それでは、御依頼の件について、御報告させていただきます」

中根はちらりと依頼人の美女を見てから、改めて手にした書類に目を落す。女

手の無い殺風景な興信所の事務所であるから、依頼人の彼女が居るだけで華や

かに思えた。

(いい女だぜ、でも、こんなに綺麗な女が、なんであんなに不細工な男の事を

 調べているんだ? もちろん色恋沙汰じゃ無いだろうが… 腑に落ちないぜ)

元警察官の経歴を生かして興信所を開いてはみたものの、世間の不景気の荒波

の中で苦労する中根は、そっと心の中で呟いた。目の前の依頼人は、実は正体

が分からない。見るからに高級で上品なスーツを身に纏った女の年は、上も見

ても30代と言う事はあるまい。落ち着いた風情から、おそらくは学術関係者

か、あるいは一流企業のOLでは無いか? すくなくとも薬指に指輪も、その

跡も見当たらないので人妻と言うことは無い様だ。

上司との折り合いが悪かったことから警察を辞めて10年、曲がりなりにもこ

うして街で事務所を持ち興信所を成り立たせて来た探偵は、あらためて美しい

依頼人の正体に興味を膨らませている。ワケありの客も多いこの仕事では、依

頼者が匿名であったり、連絡先がメアドだけしか明かされない事も少なく無い

。現に目の前の美女もその口であり、上野と名乗った彼女が偽名である事は経

験を重ねて来た中根にとっては明白だった。

(まあ、金さえ貰えば文句は無いが… こんな良い女なら、親切ししておいて

 も損は無いだろうぜ。何かウラがあれば、もうひと稼ぎもあるかもな)

既に少なからぬ着手金を受け取っていた中根は、対価に見合った情報を彼女に

伝える作業に取りかかる。

 

 

 

 


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