その4

 

 

 

 

「光村規男、26才、契約社員… 絵に描いた様なオタク野郎か… 」

良く冷えた好みの銘柄の缶ビールのプルトップを開きながら、真弓子はちらり

と奥の部屋を見て薄笑みを浮かべた。実は彼女が調査を依頼したオタク野郎の

住むアパートは、真弓子のマンションと背中合わせに隣接している。都会の住

宅事情から、木造の古びたアパートと、築三年に満たない高級な賃貸マンショ

ンの建物は、場所によっては手が届くくらいに接近しているのだ。

各々の建物の入り口はかなり離れている事から、あの探偵には真弓子の住処は

分からなかったのであろう。張り込みは彼女が普段使う事の無い裏通りに面し

たアパートの前で行われていたらしい。特に日当たりの良く無い奥の部屋は彼

女にとって、大量な衣服や雑多な品々を放置するスペースに使われているのだ

が、窓を開けると、そこにはすぐに裏のアパートの壁がある。

建築基準法など詳しく知らない真弓子でも、幅が30センチに満たない接近ぶ

りには呆れるばかりであるが、そんな不利な条件からなのであろう、この部屋

の家賃は相場に比べて格安だった。他の部屋は障害物も無く十分な日当たりが

確保されているし職場への通勤を考えればかなり良い立地な上に、2DKを考

えていた家賃で一部屋多い3DKが借りられた事から、彼女は十分に満足して

いる。

多少はずれでいるものの、大部分が隣家と重なり合う窓には分厚い遮光カーテ

ンを降ろしていて、平素は物置き代わりにされている奥の部屋ですら彼女のプ

ライバシーは完璧に守られていた、そう、あの日、あの夜までは… 

 

 

話はひと月ほど前に遡る、友人の結婚式の二次会の招待状を受け取った真弓子

は、近年のその手の集まりに来て出かけていたスーツ類を思い出しながら、ダ

ブらない服を探して奥の部屋に久々に足を踏み入れていた。会社を出て外で友

人と夕食を済ませてからの帰宅後の事であるから、時計の針は深夜を指し示し

ている。気のおけぬ女友達等との語らい楽しんだ夕食の席で飲んだワインのせ

いで、ホロ酔い加減の彼女はハンガーに吊るしてある洗濯屋帰りのスーツ類を

幾つか選んで思案に暮れる。

「これは… 3月のセンセイの退官記念パーティに着て行ったし、これは頼子

 の式の時に使ったし… う〜ん、あまり気に入らないけれど、衝動買いした

 このヨウジ・ヤマモトをデビューさせようかしら? 」

あれこれと服を探している内に、不意に何の脈略も無く明日の天気が気になっ

たのは、アルコールによる注意力の散漫の為であったのだろうか? はたまた

神の悪戯心であったのだろうか? 何の気なしに彼女は部屋の奥の窓に近付く

と、夜の空の雲の具合を確かめる為に、日頃は閉めっぱなしにしてある遮光カ

ーテンを開けしまう。

「えっ… あら、お隣さん」

日の光すら遮断してくれるカーテンのお陰で、すぐ隣のアパートの窓から漏れ

ていた蛍光灯の明かりに気付かなかった真弓子は、思わず隣の部屋を覗き込む

事に成る。常日頃、カーテンの開く事の無い隣家のマンションに油断している

のか? となりの古びたアパートの部屋の住人は、夜だと言うのに明かりの煌

々とつけたままで部屋はカーテンも開けっ放しだ。覗くつもりなどまったく無

かった真弓子であるが、部屋の真ん中で大の字に成り、かるくイビキをかいて

寝入っている肥満ぎみの男を見て、思わずその場に凍り付く。

「えっ… なによ」

慌ててカーテンを閉めて部屋でくるりと後ろを振り返った真弓子の頬が赤いの

は、夕食の時に過ごしたワインの為だけでは無くなっている。なんと、隣接す

るアパートの部屋で居眠りに及んでいる肥満体の男は、Tシャツこそ着込んで

はいるが、下半身はスッポンポンで鼻提灯を揺らしていた。

最初は結婚前の女性に男と醜悪なモノを見せびらかすのか! と、言う憤りを

感じた真弓子ではあったが、やがて彼女の中にムラムラと好奇心が沸き上がり

、それは抑え切れなく成って来る。ワインの酔いが彼女の自制心までも侵食し

ていたのであろう、少しの間、躊躇った挙げ句に今度はカーテンの端をちょっ

とだけ捲って、真弓子は再び隣室の情景に目を向けた。

(やっぱり、勃起している… しかも、あんなに大きいなんて… )

30センチとは離れていない隣家の窓の中の光景は衝撃的であり、真弓子は目

を凝らして、大の字で寝虚仮る肥満体の男の下腹部を眺め続ける。間が良いの

か? 悪いのか? 実は規男はこの日、手掛けていた18禁ゲームの製作が佳

境を超えた為に、2日ぶりの帰宅と成っている。48時間の徹夜作業を終えて

アパートに戻ったオタク野郎は、シャワーを使い汗を流した後でコンビニで買

い求めた惣菜をつまみに缶チューハイを煽り、そのまま不覚にも下半身丸出し

の状態で寝込んでしまっていた。

彼の名誉の為に付け加えるのであれば、こんなだらしない姿で寝入ってしまう

事は、半年の間でも2〜3回の事だ。疲れ切った末の帰宅である事から、密接

する隣家への気配りなど期待する方が無理である。しかも、隣のマンションの

窓には常に分厚いカーテンが降りっぱなしな事もあり、彼はすっかりと油断し

ている。

二日間の完徹作業の結果、草臥れて寝込んだ規男の男根は、いわゆる『疲れ勃

ち』の状態を示していた、加えて仕事が忙しかったことから、この一週間程は

オナニーでのガス抜きも無かったので、勃起は隆々と力強い。まさか、今晩に

限って隣家から覗かれるとは思ってもいない肥満体の若者は、窓の外から寄せ

られる視線に気付く事も無く昏々と眠ったままだ。

見るからに眠りの深い規男の股間から、何故か真弓子は目が離せない。なにし

ろ彼の股間で天に向かってそびえている肉棒は、そのスケールの雄大さが、我

等大和民族とは懸け離れているのだ。男を知らぬどころか、大学時代から比較

的に発展家であった真弓子にとっても、この隣家のオタク野郎の男根の大きさ

は、驚きを持って眺めるしか無い。彼女は学生時代に悪友から見せられた輸入

エロビデオの黒人俳優の巨根をふと思い出して、人知れず深い溜め息をもらし

ている。

(あんなに大きなオチン◯ンの男が、日本人にもいるなんて… 信じられない

 わ)

類い稀なる美貌を誇り男に苦労する事などありえぬ美人秘書は、偶然目にした

隣家のオタク野郎の巨根を、うっとりと見つめている。

「うっ… ううん、ふぅぅぅぅ… 」

何故か男が少し唸り身じろぎしたから、真弓子は慌ててカーテンをちょっとだ

け閉じて、不測の事態に備える。こんな所で覗いている事が露見するのは、彼

女のプライドが許さない。しかし、そうは思っても、やはり覗きを止める事は

、もう真弓子には出来なくなっていた。

(もしも、あんなので無理に犯れたら、どんな気持ちがするのかしら? )

ふしだらな想像に身をまかせて、窓の外の光景に見入っていた真弓子は、さら

にとんでもないモノを見せつけられる羽目に成る。

「くっ… くぅぅぅぅ… 」

再び小さく唸ったと思うと、オタク野郎はブルっと躯を震わせた拍子に、なん

と勃起した男根の先端から、勢い良く精液が噴き出したでは無いか!

 

 

 

 


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