その11

 

 

 

 

「えへへ… 御免ねヨシくん。でもテルくんがね、どうしても私達のセックス

 を見たいって懇願っしたのよ、それで1度だけビデオカメラで盗影したけれ

 ど、あんまり写りが良く無かったの」

後ろ手錠の窮屈な体勢のままで身を起こした美女は、困った様な微笑みを浮か

べて詫びて来る。

「ほら、うちの旦那ったら、女房がヤクザに犯られちゃったのを見て、すごく

 興奮する変態なものだから、とうとう、こうやって押し入れに隠れて覗き見

 る様に成ったワケよ。マーくんは気が付かなかったから、今日も張り切って

 いたんだけれど… やっぱりヨシくんには無理だったわよね」

彼女の説明を聞いて、思わず良隆は大きな溜め息を漏らした。

「ふぅぅ… 」

「あっ… いや、あの、その… すまん、御免、なんと言って詫びればよいか

 … もちろん、盗影ビデオテープは責任をもって処理するよ、絶対に世の中

 に出る様な事は無いから、安心してくれ」

良隆の複雑な気持ちを現す表情を見て、間抜けな寝取られ夫は頭をポリポリと

掻きなながら弁明する。盗撮は倫理的に反する行為であるが、それを糾弾する

ならば、人の妻である修子を借金のカタにした事とて、これも倫理的には許さ

れまい。だから、もんくの一つも言いたい良隆でも、何をどう非難すれば良い

のか判断に苦しんでいる。

なにしろ、傍らには着衣の乱れも著しく、さらに後ろ手錠で自由を奪われた末

に陵辱? された修子が、こちらも面目無さげに苦笑いを浮かべているのだ。

そして、彼の目の前で土下座をしているのは、まぎれも無く彼女の夫である。

だが、彼の戸惑いなど一切気にする事無く、輝夫は顔を上げると、妙に目を爛

々と輝かせて良隆を見つめて来た。何か異様な雰囲気を醸し出す友人に気押さ

れて、思わず良隆は1歩後ずさる。

「こうなったら、何をどう言っても仕方ない。なあ、良隆、そこで、モノは相

 談なんだが、もう一度、修子と犯っているところを、今度は近くで見せてく

 れ! 」

押し入れの中に隠れての出歯亀行為には、それなりの興奮はあったし、不明瞭

なビデオの画像よりも状況ははっきりと見る事が出来たけれども、やはり隠れ

ての盗み見だけに、妻の痴態の全てを眺めるのは無理だった。しかし、こうし

て盗視が露見した以上、輝夫はすっかりと開き直って己を欲望をモロに口にす

る。

「お前なぁ… いいかげんにしろよ、だいたい… 」

「あら、いいじゃない? ねえ、ヨシくん、私ももう少しヨシくんと楽しみた

 いから、今度は普通に犯りましよう」

間抜けな寝取られ夫の申し出に驚いた良隆だが、彼の嫁の修子の仲裁には更に

呆れ返ってしまう。

「だって、ノブちゃん。こいつの目の前でセックスするのかい? 」

「うん、テルくんの変態はいまに始まった事じゃ無いし… それに、誰かに見

 られながら犯られるのって、結構いけるんだよ。うふふ… 」

どうやら借金のカタにヤクザにセックス漬けにされた経験を持つ人妻もまた、

アブノーマルな性行為に悦びを見い出してしまった様だ。

「ほら、テルくん。グズグズしているとヨシくんが逃げちゃうわよ。はやく私

 の手錠を外してちょうだい」

余りにも意外な寝取られ夫の願いに困惑する良隆を他所に、輝夫は妻の元に躙

り寄り彼女を拘束していた玩具の手錠を外してしまう。すると修子はスックと

立ち上がり、中途半端に剥ぎ取られていたブラウスやブラをさっさと脱ぎ捨て

て、そのまま両手が乱れて皺のよったスカートに掛けられた。

「おっ… おい、ちょっと待ってくれよノブちゃん、俺は… 」

「ここまで来たら、もうジタバタしない方が良いんじゃない? テルくんも嬉

 しそうにしているし、ヨシくんだって1度でオシマイじゃ寂しいでしょう? 」

たしかに昔から憧れていた幼馴染みの人妻との逢瀬に際には、良隆は1度では

終わらずに2度、あるいは3度も彼女に挑み掛かる事もあった。だから、修子

の誘いに魅力は感じているが、それでも流石に輝夫の目の前で彼女とセックス

する事には抵抗がある。

「さあ、おまたせ」

スカートも脱いで全裸と成った人妻は、まだどうしたものかと態度を決めかね

る浮気相手の前に歩み寄り、当たり前の様に跪く。

「ほら、テルくん。これ見てよ、大きいでしょう? マーくんのチン◯ンもテ

 ルくんにくらべれば小さくはないけれど、やっぱりヨシくんのがダントツね」

妻の言葉に輝夫は興奮で小鼻をおっ広げながら何度も頷く。

「なあ、ノブちゃん、やっぱり、俺、気が進まないよ」

「あら、そうかしら? それじゃ、その気にさせてあげるわよ」

また当惑している良隆の半萎えの巨根に指を絡めた美人妻は、夫が間近で見守

る前で亀頭をペロペロと舐め回し始めた。

「くっ… ノブちゃん、まってくれ、俺は… 」

「いいから、テルくんも少しは楽しませてあげてよ、おねがい」

如何に近くで輝夫が注目しているとしても、巧みな修子の舌使いに曝されてし

まえば、良隆の肉棒が力を取り戻すのは必然だ。むくむくと勃起して雄大さを

誇示する男根を見て、情けない寝取られ夫が思わず呟く。

「すげえ… こんなにデカいのか? 」

「そうよ、ヨシくんのオチン◯ンは大きいって言ったでしょう? これがお腹

 の中で暴れるんだから」

夫に対して妻が自分の愛人の一物の長大さを自慢する、なんとも奇妙な光景を

見て、良隆の戸惑いは深まるばかりだ。

「ねえ、ほら、見て、もうこんなに大きいんだよ。あの時のヤクザのオチ◯チ

 ンよりも、ヨシくんの方が断然立派なんだから」

夫の目の前だと言うのに、欲情で瞳を潤ませた美人妻は浮気相手の股間に顔を

埋めて、良隆の巨根を頬張って行く。だらしない夫に見せつける様に彼女は口

にした男根をねっとりとしゃぶり回している。だが、そんな修子の淫らなフェ

ラチオの光景を、まるで眩しい代物を見る様に輝夫は目を細めて眺めていた。

なんとも珍妙な行動み出た夫婦を前に、良隆はもう開き直るより他の手立てが

無い。

こうなれば俎板の上の鯉だとばかりに、彼は仁王立ちのままで美しい人妻の口

での奉仕を堪能する。なにしろただでさえ、ヤクザ仕込みの巧みなフェラチオ

を行う修子なのに、夫の目の前で違う男の雄物にしゃぶりつく事に興奮したの

か? その口での愛撫は常日頃の浮気の時に比べると、遥かに濃密でねちっこ

い。

輝夫の視線を媚薬の代わりにした美しい人妻は、時々チラチラと弛んだ表情の

寝取られ夫の方を見やりながら、さらに熱心の喉咽性交にのめり込んで行く。

いつしか奇妙な関係に陥った3人の間から言葉が消えて、ただ修子が巨根をし

ゃぶり回す時に漏れるピチャピチャと言う音だけが、古びた市営住宅の居間に

響いていた。

 

 

 

 

 


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