その3

 

 

 

 

「あっ… 駄目よ、隆弘」

心地よい眠りを妨げる夫の愛撫を感じて真弓は夢うつつのまま身じろぎする。い

つもであれば、互いに職を持つ身である為に、彼女の抗いに対して大人しく手を

引っ込める夫なのだが、この夜は少し様子が違っている。ショーツの中に差し入

れられた指先が、肉の亀裂の上を執拗になぞり上げて来るのだ。

「あっ… ねえ、隆弘… あぁぁぁ… 」

何故か今日は敏感に成っている真弓は、普段とは違い強引な夫の愛撫に反応して

、ブルブルと震えて甘い悲鳴を漏らしてしまう。

(久しぶりだし… まあ、いいかな? )

このところ忙しい日が続いていて、夫とも御無沙汰だった事を考えた真弓は、そ

れ以上拒む事も無く素直に股を開いてしまう。すると、スルスルとショーツが器

用に脱がされて、彼の指使いも大胆さを増して行く。

「あん、そんな… いや」

薄い恥毛をかき分けた指で左右に秘裂を押し開かれた新妻は、媚びる様な声を上

げて身をよじる。しかし、彼女の欲情を現す様に女陰はうっすらと潤っている。

(いやだ、もう、濡れているの? そうね、久しぶりだもの… )

いつになく積極的な夫の愛撫に応えて、彼女も甘い声を漏らしつつ背筋を反らせ

て身悶えする。

『すっかりベショ濡れじゃないか? 』

「いやぁ… そんな事を言わないで、恥ずかしい」

正気を保っていれば、夫の言葉が普通では無い事に気付いただろうが、なぜか頭

の芯が惚けて考えのまとまらない真弓は、相手を隆弘だと信じて媚びてさえ見せ

ている。彼女の肉穴は差し入れられた2本の指を、愛する夫の代物と信じて締め

付けて行く。根元まで差し入れられた指先が膣の天井のザラつく部分を巧みに擦

り上げてくるから、快美に痺れた真弓の尻は妖しくうごめいてしまう。

久しぶりのセックスの興奮が、日頃は教職に携わる身の上から何かと制約の多い

真弓を燃え上がらせて行く。もしもまともな判断力があるならば、襖一枚向こう

に義理の両親が眠る実家での性行為は、いくら何でも憚られる事であろう。しか

し、何故か真弓はその事にすら思いが及ばない。

やがて白い肌がほんのりと赤く染まり、牝の生々しい欲情の香りが漂い始めて行

く。その甘い臭いに誘われる様に夫の指先も執拗に蜜壷をこね回している。濡れ

た花園から沸き上がる快美に溺れて、もう真弓は拒む気持ちが霧散していた。

『なあ、いいかい? 気持ちいいのかい? 』

「ええ、いいわ。ああ、あなた… 嬉しい… あぁぁ… 」

たわわに実った豊かな乳房を揺らして、真弓は媚びた声を張り上げる。まだ桜色

を保つ乳首はプックリと勃起していた。いつもはどちらかと言えば彼女の方から

積極的に迫る事の多い閨だったから、こんな風に隆弘が乗り気に成ってくれる事

を彼女は喜んでいる。しどけなく広げられた股の付け根にひっそりと花開く濡れ

た女陰を、愛する夫に指で責め続けられて、もう真弓の興奮は引き返せない所に

まで押し上げられて行く。

「あっ… あぁぁぁぁ… 」

鮮烈な快美が背筋を電撃的に走り抜けるから、真弓は股をだらしなく開いたまま

であられもない悲鳴を張り上げる。本来、もっと淡白な隆弘とは明らかに違う指

での愛撫なのだが、その相違すら今の彼女には理解出来ていない。ただ与えられ

る快楽に呑み込まれてしまい異常に昂る己を持て余しながら、真弓は裸身をうね

くらせた。たちまちのうちに蜜壷からは恥ずかしい汁が溢れ出して太股の内側を

濡らして行く。膣の奥まで差し入れられた2本の指のうねくりで下腹部が火照り

、もうまともに考える事など出来ない。

『なあ、ほしいのか? こんなに濡らして… 欲しいんだろう? 』

夫であれば絶対に口にしない直接的な台詞だが、執拗な指嬲りで燃え狂う躯を持

て余す若妻は、何故か少しも疑う事無く頷いてみせる。日頃とはまったく違う愛

撫を受けているのに、真弓は何故か気付かないで、ただ夫と信じる男の指での責

めを受け続けた。

「ねえ、あなた… もう、おねがい… 」

『そうかい、欲しいのか? なあ、奥さん? 』

男の不用意な一言で、真弓の痺れかけた理性が警鐘を鳴らす。

(奥さん? 奥さんて… えっ? 隆弘じゃ無いの? )

これまで夫と信じていた相手の事を、ようやく彼女は目を見開きじっくりと確か

める。そこには見ず知らずの毛深い男が、当然の様に彼女を見下ろしているでは

ないか! 

「だれ! あなた、誰なの? いやぁ… やめて、はなれて… あぅ… あぁぁ

 … だめよ。ひぃぃ… 誰か、助けて! 」

「おいおい、つれないねぇ… 散々に良い声を聞かせてくれたのに、そりゃあ、

 無いだろう奥さん」

夫以外の暴漢に躯を嬲られた嫌悪感から、慌てて身をよじり逃げ出そうとする真

弓だが、なぜか躯が痺れて身動きがままに成らない。男を押し退けようにも、両

腕が鉛の様に重たくて持ち上がらないのだ。

「ここまで来てジタバタするなよ。良い夢を見せてやるからさ」

「いやぁぁ… やめて、指を、指を抜いてぇぇ… きゃぁぁぁぁぁ! 」

真弓は意志の力を振り絞り、なんとか重い両手を持ち上げると渾身の力をこめて

彼女の股間を弄る男の手首を捕まえる。

「ほぅ… 迷い香が効いているハズなのに、手が動くとは驚きだぜ。でも、まあ

 、それが限界だろうけれどな」

男の言葉は間違いでは無い、懸命に捕まえた彼の手首だがいとも簡単に振り払わ

れてしまう。

「こんなに濡らしておいて、やめろは無いだろう? なあ、奥さん」

男の言葉通りに、一旦は股間から引き剥がされた指には、真弓が漏らした愛液が

たっぷりと濡れ光っている。彼は指を自分の鼻先に持ち上げてわざとクンクンと

音を立てて臭いを嗅いで見せた。

 

 

 

 

 


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