その5

 

 

 

 

「おい洋二、いつまで眺めて楽しんでいるんだよ? まだ後に3人も控えている

 んだぞ。愚図愚図していると、他の連中が乗り込んで来るぜ」

「おう、違い無い! 後々には乱交に成るだろうけれど、最初は一対一でしっぽ

 りと楽しみたいからな」

この二人の他に、更に三人もの強姦者が存在して順番を待っている事を知らされ

た真弓は、絶望の余りに気が遠く成りかける。しかし、そんな彼女の慟哭を他所

に、躯は増々不自然に疼いてしまい、美貌の若妻を悩ませている。気持ちが拒絶

しているのに、濡れた女陰は簡単に今夜の二人目の男の肉棒を受け入れてしまう

のだ。

「あっ… だめ… やめてください… だめぇぇ… あひぃぃぃぃぃぃぃ… 」

彼女の悲鳴に煽られる様に良夫と呼ばれた男の男根が、いきなり根元まで真弓を

貫いて来る。彼女自身の愛液に加えて、中で出された前の男の精液の滑りもある

から、たとえ意に沿わぬ挿入だとしても、何の問題も無くスムーズに押し入れら

れていた。

「あっ… あぁぁぁ… だめ… だめぇぇぇぇ… ひぃぃぃぃぃぃ… 」

理不尽な陵辱であっても、不思議に躯があっさりと快楽を受け入れてしまう事を

訝しむ若妻は、情けない声を張り上げて咽びもがく。だが、何故か痺れた手足は

増々感覚が遠くなり、代わって目の覚める様な峻烈な快美が彼女を支配している

「こんなところで弱音を吐いている時じゃ無いぜ、なにしろ、まだ後ろに三人も

 待っているんだからな」

恐ろしい言葉を口にする若者に突き上げられながら、真弓はとうとう成す術も無

く強烈な快楽の渦に巻き込まれてしまった。

 

 

 

目が覚めた時に、真弓は自分がどう成ってしまったのか分からずに惚けた顔のま

まで困惑する。寝巻きのパジャマでは無く、見なれぬ浴衣を身に付けている事か

ら、昨晩の陵辱行為が夢なのでは無くて現実の暴挙である事は明らかだ。しかし

、着衣の変更などを見るまでもなく、まだ股間に異物を突っ込まれている様な感

覚や、胸の谷間や二の腕にも所かまわずに残されたキスマークを見れば、見知ら

ぬ男等の連続強姦行為が事実である事が証明されているだろう。

(どうして? なんで、こんな事に成ってしまったのかしら? あの男等は誰?

 どうして… )

理由はともあれ、こんな町には、もう一分一秒たりもと居られない。真弓は町を

出る決意を固めると、着替える為に急いで躯を起こしに掛かる。

「あっ… えっ? なに? 」

精一杯俊敏に起き上がったつもりであるが、なぜか躯は逆らい膝が笑って立ち上

がる事が出来ない。同じように腕にも力が入らず、寝乱れた夜具の中から抜け出

すことすら難しい。

「どうしちゃったのかしら? なんで? 」

まだうっすらと一条の煙りを揺らす蚊避けの香の妖しい匂いを蚊屋の中で嗅ぎ取

りながら、躯に力が入らぬ不条理に真弓は戸惑うばかりだ。それでも何とか立ち

上がろうともがいていると、スルスルと小さな音を立てて目の前の襖が開く。

「あら? もう目が覚めていらっしゃったんですね、奥様」

女中の妙子が何ごとも無かった様に部屋に入って来た。

「たっ… 妙子さん、あの… なにか、変なの、躯に力が入らないのよ」

「当たり前ですわ。だって、一晩中、桃源香を嗅いでいらっしゃったんですもの

 。それに、躯に力が入らないだけでは無いでしょう? 」

女中は布団の上でもがく真弓の傍らに歩み寄り腰を降ろすと、無遠慮にも奥様の

浴衣の裾を乱して、真弓の股間に手を差し伸べた。

「何をするの? やめて、あっ… きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ… 」

昨晩の陵辱で下着を剥ぎ取られていた事から、女中の指がいきなり秘裂を摩り上

げる。すると信じられない強烈な快感が真弓に悲鳴を張り上げさせた。ただ指先

でほんの僅かに擦られただけなのに、慣れた夫からの愛撫よりも遥かに鮮烈な快

美が全身を走り抜けてしまった事から、真弓は驚きの余り目を見開いたまま、何

度も小さな痙攣を繰り返す羽目に陥った。

(おかしい… なにか、ヘン… こんなの変よ。ああ、どうしてしまったんだろ

 う? )

自分の躯の変化に戸惑い、真弓はゼイゼイと荒い息を抑えられない。彼女に躯の

異変を思い知らせた妙子は、無理に責め続ける事も無く、あっさりと若妻の股間

から手を引いていた。

「心配いらないわよ、べつに急に色情狂に成ってしまったワケじゃ無いの。昨日

 の夜から香取線香の代わりだと偽って、この部屋にお香を焚き込めていたでし

 ょう? あれは桃源香と言って、この村に昔から伝わる秘香でね、どんな女で

 も、しばらくお香の匂いを嗅いでいる内に、躯が疼いてたまらなくなるのよ」

なんでも無い事の様に妙子が語る言葉が、真弓には信じられない。なにしろ、こ

こは夫である隆弘の実家なのだ。結婚前にも訪れた事もある新しい身内の家で、

まさかこんなに酷い目に合わせられるとは思いもしなかった若妻は、萎えた手で

懸命に躯を支えながら、忠実だと信じきっていた少し年上の女中の事を睨み付け

る。

「あらあら、そんなに恐い顔をして睨んでも無駄ですわよ、奥様。どんなに怒っ

 てみても、奥様はもう籠の鳥なんですからね。この村に足を踏み入れた時から

 、奥様の人生は普通では無くなったのです。そう… 私と同じように」

妙子は乱れた浴衣を整える事も出来ない雇い主の息子の嫁を冷ややかに見つめて

いる。

「私も元々は、この村のモノでは無いのです。東京の大学を出た後で研究室に残

 り、主に民話に関するフィールド・ワークを専門に行っていた時に、この村を

 訪れて、珍しい民話の調査を行ったんですよ」

確かに言われてみれば、なんとなくあかぬけない村の女衆に比べると、すこしや

つれては見えるが、妙子には都会的な雰囲気も微かに感じられる。これで流行り

のスーツでも身に付けて化粧を整えたならば、丸の内界隈を闊歩するOLだと言

っても通用するに違い無い。正体不明の女中は、目に妖しい光を仄めかせて、新

しく村の一員と成った真弓を見つめている。

「この村には、本当に面白くて貴重な民話や土着風習が多くあって、研究者には

 興味が尽きない場所だったの。もちろん当時は私も夢中に成って色々な調べも

 のを行ったものよ。とくに村長のお宅の裏の倉の中には、これまで見た事も無

 い様な古文書の類いが、それこそ無造作に積み重ねられていたわ。あの頃の私

 にとって、あれは宝の山に見えたものね」

そう言われてみれば学者然とした雰囲気もある女中は、真弓から顔を逸らすと遠

い目をして過去を振り返って行く。

 

 

 

 

 


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