その7

 

 

 

 

「よう、西岡、ちょうどよかった」

馴れ馴れしく笑いながら近付いて来た不良少年のボスに促されるままに、彼は

人気の無い視聴覚室へと連れ込まれる。狭山の顔を見て数日前の美貌の英語教

師との桃色遊戯を思い出した聡は、真っ赤に成って俯いたままだ。そんな真面

目な少年の様子など気に掛ける事も無く狭山が要件を口にする。

「なあ、西岡。マリコちゃんはお前のクラスの担任だよな? どんな女だよ?

  」

「えっ? どんなって… どう言う事? 」

不良少年の問いかけの意味がわからずに、聡は困惑する。

「いや、まあ、それはいいや… それよりも、お前、文芸部なんだろう? た

 しかマリコちゃんも文芸部の顧問だよな? お前等、親しく話なんてするの

 か? 」

聡の疑問を無視して、不良少年は別の事を問い質して来る。

「えっと、まあ、それは、部活の時には、結構いろいろと話もするけれど… 

 僕は文芸部では副部長だからね」

まだ狭山の狙いが分からない少年は、素直に頷き真実を語る。まだ釈然としな

い聡を見ながら、不良少年は邪悪な笑みを浮かべた。

「そうか、話はするんだな。よしよし… ところで西岡、お前、マリコちゃん

 をどう思うよ? あのセンセイは処女かな? 」

とんでもない事を言い出した同級生を、聡は驚きの目で見つめてしまう。

「あんな美人で、たしか25才だからな、まあ、処女って事は無いだろうけれ

 ども、アサコちゃんに比べたら経験はずっと少ないだろう。なにしろアサコ

 ちゃんは人妻だけれど、マリコちゃんは独身で、年も5つも下だもんな」

「そっ… そんなこと、僕は知らないよ」

狭山のとんでもない話に付いて行けずに、聡は真っ赤に成って抗弁する。

「はははは… 照れるなよ、お前だって、もう童貞ってワケじゃ無いんだから

 さ。Y談くらいで、そうムキに成るなよ。悪かったな引き止めて、それじゃ

 、またな、相棒」

狼狽する聡を他所に、不良少年は朗らかに笑いながら視聴覚室を後にした。残

された真面目少年は、狭山の言葉の意味を図りかねて、しばらくその場で考え

込んでしまっていた。そんな事があったものだから、聡は週末の文芸部の部活

動中にも、ひとりで不安を抱え込んでいる。

「吉岡先生も来ないみたいだから、少し早いけれども、今日の活動はこれで終

 わりにしましょう」

グラウンドからはサッカー部の練習の声が響いて来てはいたが、部長を務める

女生徒の一存により、この日の文芸部の活動は通常よりも30分ほど早めに終

了と成った。散会後に気に成って、他の理由を見つけて職員室を訪れた聡であ

ったが、真里子先生は自分の席には居なかった。

(まさか、狭山くんが… いや、そんな… そうだよ、そんな馬鹿な事をした

 ら、たぶん退学に成ってしまうもの)

憧れの真里子先生が、不良生徒の食い物にされた麻子とダブったものだから、

聡は沈鬱な顔のまま職員室を離れた。

「あっ… そうだ! いけない、忘れていた」

とぼとぼと廊下を歩いていた少年は、生徒会関係で今日中に済ませておかなけ

れば成らない仕事を思い出す。彼は急ぎ足で生徒会室に辿り着くと不安を追い

やる様に任された仕事に没頭した。

 

「ふう、これでよし。よかった、思い出して… 」

前回の生徒総会の議事録をまとめ終えた少年は、旧式なノートパソコンの電源

を落して溜息を漏らす。本来であれば副会長辺りが担当する仕事であるが、何

かにつけて要領の悪い聡は、これら雑用を押し付けられては閉口している。一

仕事を終えた生徒会書記が、お茶でも飲もうと電気ポットに手を延ばしかけた

時に、胸のポケットに入れておいた携帯電話がぶるぶると震えて着信を持ち主

に伝えて来る。

「あれ? 誰だろう? 」

何の気なしに電話を受けた少年の耳に、狭山の浮かれた声が飛び込んで来た。

「おう、西岡、お前、いま、何処にいる? まだ学校に残っているのか? 」

「えっ、ああ、狭山くんだね? うん、生徒会の仕事があって、まだ残ってい

 たんだけれども… 」

不安な要因からの直接の電話に、聡は眉を曇らせる。

「そうか、お前って奴はラッキーだぜ。いそいで、この前の場所に来いよ。誰

 にも見られるなよ! そうすれば、良い思いが出来るってものさ。待ってい

 るぜ… 」

「えっ、良い思いって? 何のこと? あっ… もしもし… もしもし… 」

言いたい事を言った途端に狭山は電話を切ってしまったから、残された聡の不

安は深まるばかりだ。しかし、この前には強いられた行為とは言っても、彼等

の前で麻子を抱いてしまった少年は、差し迫った不安を誰かに打ち明ける事も

出来ぬまま、少し迷った挙げ句に恐る恐る旧校舎の階段を4階へと昇って行く

。人気の無い廊下を歩いて行くと、情けない事に両脚は小さく震えてしまって

いる。

「おう、来たな、西岡、こっちだ」

旧音楽準備室の前で待ち構えていた狭山のニヤけた顔を見て、聡は自分の不安

が適中した事を思い知らされた。不良生徒に背中を押されて入った部屋の中で

は一組の男女が性行為の真っ最中だ。

「よっ… 吉岡先生」

憧れの国語教師が全裸を曝して小竹に組み伏されている有り様を見て、聡は呆

然と成った。

「お前、マリコちゃんには信用があるんだな。お前がトラブルを抱え込んで悩

 んでいるようだって言って、マリコちゃんを呼び出したら、彼女はホイホイ

 とおびき出されてくれたぜ。俺の嘘八百の相談を真剣に聞いてくれて、まっ

 たく笑ったよ」

自分が出汁に使われた事を聞かされて、聡は衝撃を受けて言葉も無い。しかし

、悲しいかな牡の本能には逆らえず、少年は憧れの女教師の無惨な陵辱シーン

から目が離せなかった。

(でも、なんでだろう? 強姦されているハズなのに、先生は凄く嫌がってい

 る様には見えない… どうして? )

聡の疑問は、傍らでニヤける不良少年が解明してくれる。

「なあ、マリコちゃんもやる気マンマンだろう? 小竹の奴が終わったら、こ

 んどはお前の順番さ。アサコちゃんを散々に泣かせた自慢のデカチ◯ポで決

 めてやれ」

「そっ… そんなの、無理だよ」

血相変えて首を横に振る少年に、狭山が人の悪そうな笑みを見せた。

「ビビルなよ、大丈夫さ。マリコちゃんにはたっぷりと媚薬を塗ってあるんだ

 よ」

調剤薬局で処方された風邪薬の様なパッケージの中には半透明な結晶が少量納

められている。狭山は真面目な少年の目の前で、媚薬と称した代物のパッケー

ジを小さく振って見せた。

 

 

 

 

 


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