その6

 

 

 

 

『コウノさん、どうですか? 上手く撮れていますか? 』

見た事も無い若い男が朗らかに問いかける。

(なんだ? コイツは? まだ餓鬼じゃないか? マジかよ? )

どう見ても自分よりも若い男が現れたものだから、孝昌は面喰らう

『ああ、バッチリだよ。さあ、始めてくれ』

若者の問いかけと、聞き覚えのある声での返答により、この猥雑なシーンを撮

影しているのが今は亡き叔父である事がわかる。よりによって叔父は自分の愛

する妻を淫猥な拘束具に全裸で縛り付けた上に、第三者を現場に招く暴挙に及

んでいるのだ。

しかも、正確には分からないが、全裸で恥ずかしい格好を強いられている牧子

の周囲には、最初に声を掛けた若い男の他にも数人の存在が見受けられた。お

そらく撮影の為に用意された強烈なライトに照らし出された美貌の叔母の無惨

な姿に、孝昌は邪な欲望を募らせる。

『それでは、そろそろ尋問にとりかかりましょう』

画面の中の若者は嬉しそうに宣言した後に、拘束具で自由を奪われた牧子の傍

らに歩み寄る。

『皆さんも御存じの様に、こちらは我等が忍冬の会に新しく入会されたコウノ

 氏の愛奴のマキコさんです。会則にしたがい、マキコさんは今後、我々の共

 同の奴隷女に成るわけですが、そこで彼女について、より深い理解を得る為

 の調査をこれから始めます』

若者は拘束された牧子の胸元に手を延ばして、豊かな膨らみを弄び始めた。

『あっ… はぁぁ… 』

『よい、声で鳴いてくれますね。さすがは芸術家の奥様ですよ。申し遅れまし

 たが、私はこのSMサークルの忍冬の会で代表代理を務める笹川隆俊です。

 若輩者ですが以後お見知りおき下さいね、マキコさん。それでは、お聞きし

 ますが… 』

柔和に見えた笹川の瞳に残忍な光が宿る。

『これからの質問に正直に答えて下さい。さて… あなたは夫であるコウノ氏

 の愛妻奴隷に成る前に、どれくらいの数の男性と親密なおつき合いに至って

 いましたか? もっと具体的に言うならば、何人の男に股ぐらを開いて精液

 を注がれたのですか? 』

笹川のストレートな問いかけを受けて、拘束具により自由を奪われている美女

はM字開脚を強いられたまま無言で俯き目を臥せる。

『おや、答えられませんか? いけませんね、あなたはもうコウノ氏によって

 忍冬の会の奴隷女と成っているのですよ。この会の肉奴隷には拒否権はあり

 ません。さあ、答えなさい。あなたの膣の中には、これまで何人の男が精液

 を注ぎ、この柔からな胸は、どんな連中が揉みしだき舐り回して来たのです

 か? 』

いきなりそんな事を言われたところで、撮影者が夫の雅俊である限り、如何に

結婚前の事と言っても牧子は答えられないでいる。するとサークルの代表者代

理は意外にも嬉しそうに微笑むではないか。

『そうですか? 答えるのは嫌ですか? ふむふむ、そうなると、あなたには

 罰が必要に成りますね。それでは、竹田さん、三島さん、準備をお願いしま

 す』

サークルの会長代理の若者が一歩下がると、二人の男が画面の中に現れて左右

から全裸の牧子に取り付いて行く。ひとりが小さな刷毛をつかって乳首に溶液

を塗り、もうひとりは濡れた乳首を電線が繋がれた金属製のクリップで挟み込

んで行く。さらに彼等の狼藉が美しい叔母の股間にも及び、M字開脚を強いら

れた牧子の敏感な肉芽にも、無機質な金属製のクリップが装着されてしまった

のだ。

『塗った液体に心配はありません、単なる塩化ナトリュムの溶液ですよ。ほら

 、心電図を採る時に使うあれです。電流の伝導の手助けの為の準備であり、

 この溶剤自体は人体に影響がある薬剤では無いですからね』

再び画面の中に入ってきた笹川の手には、真っ黒な張形が握られている。

『それでは、もう一度聞きますよ。これまで何人の男に股をひらいて、チ◯ポ

 を受け入れて来たのですか? 詳しく正直に語りなさい』

乳首とクリトリスに電線付きのクリップを装着された美女は、それでも唯一自

由に動かす事に出来る首を俯いたままで左右に振り、答える事を拒絶する。

『強情なひとですね。そうですか? それでは… 』

笹川は手にしていた男根を象った道具にボトルからローションを垂らして擦り

付けると、その滑りを利用して、ズボっと牧子の露出された肉穴に無造作に突

っ込んだ。

『ひっ… ひぃぃぃ… 』

余りにも思いやりの掛けた行為に抗議する様に、牧子は顔を上げて厳しい目を

謎の若者に向けた。

『う〜〜ん、よい目です。そそりますよ、マキコさん。でも、いつまでそんな

 目をしていられますかね? 』

彼女の憤りすら興奮の材料に変えて、笹川は無慈悲に手にした淫具を美女の肉

壷に埋め込んで行く。憧れの叔母が、こんなに惨い仕打ちを受けているのに、

孝昌の心は大いに沸き立ち、もう猥雑な画面に釘付けだ。

『あっさりと入ってしまいますね。こんな細いバイブでは御不満だとはおもい

 ますが、少しの間、我慢して下さいね。あとで、ちゃんとスペシャル企画を

 御用意していますよ』

意味深な台詞を吐きながら、笹川は手にした道具で牧子を責め嬲る。

『あっ… いや、やめて、おねがい… こんな姿を撮らないで、おねがい、あ

 なた、ビデオは、いや… あっ… あふぅぅぅ… 』

笹川に対して慈悲を乞う無駄さを知っているのか? 牧子は彼女を弄ぶ若者を

無視して、撮影掛かりを受け持つ夫に助けを呼び掛けた。しかし、もしも立場

が違って、叔父では無く自分がビデオカメラを構えていたとしても、彼女の哀

願など無視した事であろう。余りにも艶っぽい被虐姿を見せつける牧子の願い

は、傍観者である孝昌の望み通りに叔父にも却下されていた。

『ほらほら、気を散らしている余裕は無いでしょう? もう、こんなにお汁を

 垂らしているじゃありませんか。よっぽどバイブが気に入った様ですね』

おそらく、こうして拘束した女を責めるのに慣れているのであろう。たしかに

笹川の言う通りに、美しい叔母の曝け出された股間からは、ローションとは明

らかに異質な液がジュクジュクを溢れて来ている。

『なんとも艶っぽい奥様ですね。しかし、いつまでも良い思いばかりでは、我

 々SMサークルの存在価値を疑われてしまいます。言う事を素直に聞かない

 奴隷女には、もちろん罰も用意してありますよ。さあ、竹田さん… 』

代表の呼び掛けに応えて、竹田と呼ばれた男が何かのコントローラーを若者に

手渡す。左手でバイブを操り牧子を泣かせながら、笹川は右手に持ったコント

ローラーをビデオカメラのレンズの前に差し出した。

『奥様奴隷の敏感な3箇所に繋がっているのは、御想像通りに電線です。こう

 して、スイッチを入れて差し上げると… 』

 

 

 

 

 


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