その7

 

 

 

 

まるで動物園に閉じ込められたノイローゼ気味の熊の様に、良輝は自分の部屋の居

間で同じ所をぐるぐると歩き回る。余りにも唐突な純子の行動をなんとか理解しよ

うと考えてみるのだが、やはり思い浮かぶ事は何も無い。

(なんで、純子の奴が、いきなり、こんな事を? これは何かのワナか? はっ! 

 ひょっとすると… )

彼は慌てて窓際に歩み寄りサッシを開け放ち忙し無く左右を見渡すが、夕闇の迫る

街角には怪しい人影はまったく見当たらない。

 

「う〜ん、ひょっとすると大掛かりなドッキリかも知れないと思ったけれど… そ

 れらしい気配はまったく無いなぁ」

背後では純子が風呂から上がった様な物音を聞いたから、彼は慌てて窓を閉めて、

ついでにカーテンも降ろしてしまう。

「ふわぁぁ… やっぱりウチ風呂っていいわよね。いつもは銭湯通いだから、つく

 づくうらやましいわ」

しっかりと髪まで洗って来た美女は、バスタオルを捲いただけの無防備な姿で若者

の前に現れる。驚きで目を見開き言葉が無い良輝を見て、彼女は妖艶に微笑んだ。

 

「ほら、お風呂は空いたわよ。さっさとあなたも躯を流していらっしゃい」

いまや混乱の極みに有る良輝に明確な意志など存在していない。彼は促されるまま

に風呂に行き素直にシャワーを浴びていた。頭の上に大きなクレッションマークを

浮かべたままで、彼は風呂を終えて居間に戻って来る? 

「あれ? 千草さん? 」

部屋に彼女の姿が無かったことから、一瞬、そうか! からかわれたのか! と、

半分落胆、半分安堵の奇妙な感情を味わった良輝だが、ソファの上に彼女が持って

来たスポーツバックが鎮座しているのを見つけると、もうひとつの可能性を思い付

き心拍数が跳ね上がる、

 

(まっ… まさか… えっ? )

恐る恐る隣の寝室に通じる引き戸を開くと、案の定、彼女は良輝のパジャマの上着

だけを着込んでベッドの上に俯せで横に成っているではないか。

「おそい! どこをそんなに丁寧に磨いていたのよ? あっ、見ての通り、パジャ

 マを借りているからね。やっぱり大きいよね、男物もパジャマは… 案配が良い

 からひとつお土産に貰って帰ろうかしら? 」

ようやく寝室に戻って来たこの家の主人の前で、なんと純子は自分の左手に手錠を

掛けて、もう片方の輪をパイプベッドの支柱に繋いでしまう。

 

「ほら、ぼんやり見ていないで、手伝ってよ」

「手伝えって… だいたい、その手錠は何処から持って来たんだい? 」

彼女のいきなりの不可解な行動に面喰らい、良輝が問い質す。

「何処って? 私の部屋からに決まっているでしょう。ほら、右手もベッドの支

 柱に繋いでちょうだい」

さっさと自分の右の手首にも手錠を打った美女の剣幕に押されて、良輝は彼女の

命令に従い拘束作業を終わらせた。左右の支柱に両手を繋がれた純子は、バンザ

イの姿勢を強いられたままで首をもたげて若者を見る。

「さ〜どうする? サカモト、これでアタシのカラダはアンタの自由だよ」

彼のパジャマの上着を羽織っただけで、あとは白いショーツだけを身に付けた美

女は、狭いシングルベッドの上に万歳した姿勢で横たわる。これまでは妄想の中

だけで楽しんでいたSM行為がいきなり目の前で実現した事に良輝は、戸惑いす

ぐに動く事が出来ない。

 

「どうしたのさ? ただ眺めているだけで、もう漏らしそうなの? それとも、

 どうしてよいのか分からない坊やなのかしら? 」

目の前で妖しく微笑む美女の辛辣な言葉に、良輝はようやく少し己を取り戻す。

両手が拘束状態にあるのに、あくまで高飛車な態度を崩さぬ純子の態度が、彼の

加虐心を掻き立てる。彼は無言で獲物に歩み寄り、ライバル視していた美女の股

間を隠す薄く頼り無い布切れに手を延ばす。

 

ようやく行動を示した男を見つめる純子の目に、これまでとは異なる奇妙な光が

宿った。ショーツがゆっくりとズリ下げられ、きちんと整えられた恥毛が露にさ

れても、純子はみじろぎもせず息をひそめていた。彼女の抵抗がないのをよいこ

とに、良輝は羚羊を思わせる美女の白く長い脚からショーツを抜き去ると、もは

や何も隠すものが無くなった股間に露骨に顔を近付ける。

 

「見ているの? そんなに珍しい? 」

多少上擦る超えで嘲りの言葉を投げかける純子に対して、若者は素直に頷いた。

「なにしろ、我がゼミきっての才女のマ◯コだからね、たっぷりと見せてもらう

 よ」

立場が完全に逆転したことを男の言葉で思い知らされた純子は、頬を紅く染めて

唇を噛み締める。若者の視線で犯された美女の股間はみるみる間に潤み、淫ら汁

が蟻の戸渡りを滴り落ちて行く。あからさまな牝の欲情を目の当たりにして良輝

の興奮は高まり、彼の両手が美女の太股の内側に添えられて左右に大きく割り広

げた。ほとんど抵抗もなく太股は開き、良輝は目の前の淫らな光景に魂を奪われ

音を立てて生唾を呑み込んだ。この先どう成るのか? 期待に目を輝かせる美女

の股間に、良輝はゆっくりと顔を近付ける。

 

「牝の匂いだ、しかも、とびっきり良い女の、いやらしい牝の匂いだよ」

恥毛に鼻先をわずかに触れさせて若者は呟いた。すると彼の吐く息に刺激を受け

たのか?ヌラヌラと淫汁で濡れ光る肉の裂け目が少しよじれて増々良輝の劣情を

駆り立てた。風呂上がりのボディソープの香りとは明らかに異なる生々しい臭い

を胸いっぱいに吸い込んでから彼はおもむろに目の前の肉の穴に中指を沈めて行

く。

 

「うっ… うくぅぅ… 」

視姦プレイの結果、十二分に潤っていた肉溝はスムーズに若者の指を受け入れる

。発情した牝穴の感触を楽しむように指をうねらせれば、彼の耳には美女の艶か

しい咽び声がしみ込んでくるのだ。指を汁沼のなかで遊ばせながら良輝は鼻先で

恥毛を掻き分けつつ、目当てのクリトリスに舌を這わせた。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ… 」

指での悪戯とは明らかに異なる刺激に敏感に反応して、純子は腰を何度も細かく

震わせる。その反応に気を良くした若者は執拗に舌先を蠢かせて美女の肉芽を責

め続ける。

 

「まって、そこ、そんなにしたら… あぁぁ… だめぇぇぇ… 」

粘着的に敏感な肉芽をねぶられた純子は、やがて大きく痙攣を繰り返すと、その

まま無反応な状態に陥った。

「ぷは〜、なんだよ、イッたのか? 」

尽きる事なく溢れ出す美女の淫汁で唇や鼻の頭の濡らした良輝は、日頃見下され

ていると信じていた純子の痴態を目の当たりにして優越感を満足させた。

「おねがい、虐めないで、もう、ちょうだい… 」

負けを認めた美女の台詞が良輝の男の本能を直撃する。

 

 

 


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