その6

 

 

 

「あの、とりあえず半分くらいまで再生しましたが、まだこの先も御覧に成りま

 すか? 」

年上の美女の誘惑に負けて撮影が疎かに成り、画面ではシーツが揺れ動くばかり

で、音声だけが艶かしく響く状況だから、若者は一次停止のボタンを押して画像

を止めると恐る恐る美貌の女上司に問いかけた。

 

「酒! 」

「えっ? 」

脈略の無い単語が形の良い唇からボソっと漏れたので、加藤は怪訝な顔を美人上

司に向けた。

「なんでもいいから、お酒をちょうだい。こんなの… 素面じゃ見てられない」

「はっ、はい、ただいますぐにお持ちします」

居たたまれぬ思いを募らせていた若者は、これ幸いとばかりに立ち上がるとキッ

チンに向かって駆け出した。しばらくたってから戻って来た彼が手にしたトレー

には、カティサークの瓶とグラス、それにステンレス製のアイスペールとミネラ

ル・ウォーターが乗せられていた。

 

「お待たせしました、えっと、おつまみは何が… 」

「いらない」

若者が捧げ持つトレーから最初にカティサークのボトルを奪った美女は照れ隠し

の為に必要以上に不機嫌そうな顔で封を切る。次に磨き上げられたグラスを掴ん

だ咲和子は、半分近くまで琥珀色の液体を注ぐと、一気にグイっと咽に放り込む。

 

「あっ、あの、課長、そんな飲み方を為さると、胃に負担が… 」

「うるさい」

若者の極めて常識的な助言など蹴散らして、咲和子は再びグラスに注いだウイス

キーを立て続けに呷り飲み干した。カッと食道を灼くアルコールの感触が、かろ

うじて彼女の崩壊寸前の精神的な均衡を支えていた。

(まさか、本当にこんな恥さらしな事をしていたとは… )

部下の若者を相手にあられもない狂態を曝した事実の証拠を突き付けられて、咲

和子の狼狽は深まるばかりだ。もうとても素面で加藤の顔など見られたものでは

ない。助けを求めて藁にも縋る思いを持て余しながら、彼女はウィスキーにすが

り付きグラスを急ピッチで呷った。

 

「続きを見せて」

ハイピッチでカティサークの瓶の中身を三分の一ほど胃の中に放り込んだ美女は

、ひとつ大きく溜息を吐いた後に部下にDVD観賞の続行を命じる。

「はっ、はい、でも… 」

「いいから、見せて! 」

アルコールが回り目が座った美人上司に睨まれて、若者は慌ててDVDプレーヤ

ーのコントローラを操作する。しばらくは不鮮明な画像と嬌声しか無いので、彼

は早送りで次の場面にすすめた。

 

『ったく、さっき散々、アタシのマ◯コの中に噴いたくせに、もうこんなにビン

 ビンにおっ勃たるなんて、お前は阿呆でタフな種馬野郎だぜ』

再び鮮明になった画面の中で咲和子は淫らな笑みを浮かべて、手にした若者の怒

張を上下にしごき立てている。状況から推察すれば2度目の情交の直後なのであ

ろう、若者のドス黒い剛直は粘液でヌラヌラと濡れて蛍光灯の光りを反射してい

た。

 

『こんなに子種汁を垂れ流しても、まだ萎えないなんて… おまえ、ひょっとし

 て昼間会社でアタシを盗み見て机のしたで勃起させているんじゃないのか? 

 アタシの事を目で犯して我慢汁をブリーフに染みださせているんだな? この

 スケベな種馬め』

DVDカメラを構える部下の下腹部に手を差し伸べて、握り込んだ男根に手荒い

愛撫を加えながら、レンズを睨む美女の目には欲情の炎が揺らめいて見える。

 

『まだ犯り足りないんだな? わかっているぞ、萎えないチ◯ポが証拠だわ。い

 いよ、犯ってやる。今度はアタシが加藤を犯ってやる! お前のペースで楽し

 むのもこれまでだ。残りカスも出ないほどに搾り取ってやるから覚悟しなさい』

高らかに淫らな宣言を行った咲和子は裸身を起こすと、DVDの撮影に余念が無

い若者の下半身に跨がる。天を向く剛直を逆手に持ち替えた美女は腰を小さく左

右に動かし、2度も立て続けに男汁をそそがれてヌルヌルに成った女陰に男根を

導いた。

 

『犯してやる、お前なんかアタシの肉バイブだ』

撮影に忙しく、手助けしない若者の態度に焦れた様子を見せながら、それでも秘

唇で亀頭を捉えた美女はゆっくりと腰を落として蜜壷に剛直を埋め込み始めた。

『あっ、きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ… 』

本当であれば、熟れて爛れた陰孔に怒張を馴染ませながら、ゆっくりと腰を落と

すつもりであっただろうが、直前の2度の激しい情交が思いのほか彼女から体力

を奪っていた様で、腰砕けに成った美女は思惑とは異なり、そのままペタンと若

者の上に尻餅をついてしまった。

 

『ひあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ… 』

一気に蜜壷の最深部にまで男根の侵入を許してしまった咲和子は、咽を引き絞り

か細い悲鳴を部屋に響かせた。子宮を他の内蔵にめり込ませるような強烈な圧迫

と、その圧力から生まれた信じられない快美が美貌の女上司の脳乱を加速させて

いる。

『くやしい、アンタのチン◯ン、大きすぎる、反則だぁぁぁ… こんなにデカい

と、狂う、マンコが灼けて、狂っちゃうぅぅぅぅ… 』

年下の、しかも社会人一年生の頃から部下として面倒を見て来た若造に跨がり、

その剛直に深々と貫かれて狂乱の渦に呑み込まれた事が悔しいのか、咲和子は恍

惚と屈辱がごちゃ混ぜに成ったような不思議な表情で加藤を非難しながら力無く

何度か若者の胸板を拳で殴った、

 

しかし、彼女の尻は持ち主の意向など気にも止めずに淫らに蠢き快美を貪り続け

ている。白くまろやかな尻の動きは上下左右に規則性を持たず、体力的に厳しく

なれば、こんどは「の」の字を描くようにうねり回す。

 

『ちくしょ〜、こんなにブッといチン◯ンをぶち込むなんて、卑怯モノ! ああ

 、熱い、マ◯コは灼けるぅぅぅ… すごい、すごいぃぃ、こんなの知らない、

 奥に当るぅ、ゴツゴツ当って、痺れるのよぉ… あっ… あひぃぃ… 』

上に成っているのだからぶち込まれていると言うよりも、呑み込んでいると言う

方が正しいのだが、随喜の炎で脳核まで灼かれた美女には理屈など何の意味も持

たぬ御託に過ぎない。

 

直前の荒淫による肉体的な披露が原因で尻の動きはだんだんと鈍ってくるが、蜜

壷を占領している男根から生み出される愉悦は深まり、両方の手でDカップの張

りのある乳房を淫らに揉みしだきながら、虚ろな瞳を宙に彷徨わせる美女の有り

様はテレビ画面の前に陣取る二人の傍観者を圧倒する。受け止め切れぬ快美の波

に翻弄される咲和子の黒目は大きく揺れ動き、何度か瞼の裏に姿を消しては戻っ

て来る狂態を曝していた。

 

 

 


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