巡った因果 その17

 

 

 

「よ〜し、イッたわね」

絶頂に駆け上がった節子の蜜壷からバイブを引き抜いた真弓は、勝ち誇った顔で微

笑みを浮かべた。

「あの、いったい、どう言う事なんですか? なんで保健教諭の仁村先生が、真弓

 さんのマンションにいるのです? 」

怒濤の展開に付いて行けず、ただ真弓の指示に従い美しい保険教諭の凌辱の片棒を

担がされた信也は、納得の行かぬ様子で説明を求めた。

 

「えっ、何故って? 私が呼んだからに決まっているでしょ。私と同じように下衆

 な校長の餌食にされていた節子さんの口を今のうちに塞いでおかないと、面倒な

 事になるかも知れないもの」

何故に美貌の保健教諭が真弓の部屋にいたのかわかった信也は、彼女も校長の毒牙

に掛かっていた事実を知り、ようやく真弓の存念を朧げながら理解した。

「なるほど、校長先生の裏の顔を知っている仁村先生ならば、あの夜の状況を詳し

 く知れば何が行なわれていたのか? 見当は付くと思います。そうすれば、現場

 に真弓さんが居たのではないか? と、言う結論に達しますからね」

少年はようやく合点が行ったので、あらためて真弓の配慮の迅速さ驚いていた。

 

「全ての事実を推察可能な仁村先生の口を塞ぐ為ならば、この状況も分かります。

 たとえ強いられたと言っても生徒相手に淫らな行為に及んだ罪は重いですからね」

そこで少年はおもむろにポケットから携帯電話を取り出した。

「それならば、仁村先生が気絶している間に、証拠の写真を撮っておきましょう。

 何かの時には保健になります」

少年は悶絶した美貌の保健教諭に向けて携帯のレンズを向ける。

 

「あ〜〜、いらないわよ。ムダムダ。そんなチンケな写真なんかよりも、ずっと

 ヤバイ証拠が山ほどあるもん。ほら、アナタが校長室で見つけてくれた、あの

 DVDよ。あの中には鬼畜校長と節子さんのSMプレイも、たくさん記録され

 ているの」

彼女の言葉で信也は、あの校長室のスチールロッカーから回収した大量のDVD

の存在を思い出す。

(なるほど! やけにいっぱいあると不思議に思ったけれど、真弓さんだけでは

 無くて仁村先生の動画も記録されていたのか。でも、あれ? それならば、何

 で… ?)

携帯電話での写真撮影等は無用と納得した少年の脳裏に新たな疑問が湧いた。

 

「あの、それなら、なんで今日はわざわざ仁科先生を呼び出して、こんな酷い事

 を為さったのですか? 」

脅すには十分な材料を持ちながら、尚も美貌の保健教諭に教え子との密通を強い

た真弓の真意をはかりかねて信也は問い質す。

「たしかに、証拠のDVDを1〜2枚、節子さんに手渡して、事件に対して下ら

 ないお喋りをしたら、これを世間にバラ捲くぞ! って、言えば、まあ、彼女

 は沈黙も守るでしょうね。でも、それでは節子さんを助ける事には成らないも

 の」

脅して口を封じる相手を救うと言う、まったく矛盾した話は少年の困惑を深めて

行く。

 

「さっき、シンヤが、今日節子さんを呼んだ理由は口封じの為だと推察していた

 わよね、それは間違えじゃ無いけれど、正解とも言えないの。点数を付ければ

 65点と言ったところかな? 彼女をわざわざ私のマンションの部屋に呼んで

 あげたのは、新しい御主人様をあてがってあげるのが本当の目的なのよ」

真弓の言葉は少年を唖然とさせた。

「あっ、新しい御主人さまって、もしかして? 」

「そう、君、こんな事を頼めるのは事情を知っているシンヤしか、いないでしょ? 」

美しい共犯者のとんでもない台詞は信也を大いに驚かせる。

 

「あたしも節子さんも、あの下衆野郎の肉の奴隷として扱われて来たわ。気持ち

 では、あの糞野郎を憎み怨んできたけれども、躯の方は否応なしに野郎の変態

 セックスに馴染まされてしまったの。あんな奴に犯られるのは本当に嫌なのに

 、何かの都合でしばらく放り出されてしまうと、躯の芯が我慢出来ないくらい

 に疼いて、何時の間にか、あの糞親父からの呼び出しを心待ちにしてしまって

 いたわ」

瞳に厳しい光を宿した真弓は、忌々し気に下唇を噛み締める。

 

「最初は、あの媚薬のせいだと思っていたけれど、何度か下衆野郎に変態プレイ

 を仕掛けられているうちに、あいつは薬を使わなくなったのさ。それでも、あ

 の糞親父のチ◯ポをしゃぶらされている時に、アソコが濡れているのを自覚し

 た時の惨めさは、とても言葉では言い表せないわよ」

少年から視線を逸らした真弓は、遠い目をして過去を振り返る。

「気持ちはどんなに嫌だと思っても、あの糞親父に呼ばれて縛り上げられて、滅

 茶苦茶に嬲られると、躯は否応なく反応してしまうのよ。あいつからの呼び出

しのメールを見ると心は沈み込むのに、あの下衆の目で睨まれただけで… 」

真弓は寂し気に首を振り、再び少年を見つめる。

 

「濡れるのよ。どうしょうもなく、疼くの」

深層心理の奥底に隠されていた被虐を好む血を暴かれてしまった女性の不可思議

な気持ちの揺らぎなど、まったく理解の範疇の外だから、信也は目を丸くして彼

女の独白に聞き入っていた。

「私はラッキーだった。だってシンヤがいてくれたもの。糞校長はくたばって消

 えてしまったけれども、躯の疼きは君とのセックスで解消されたもの」

愛情を確かめ慈しみ合うと言うよりも、獣が違いを貪り喰らう様な激しい真弓と

の性行為の記憶がまざまざと脳裏に蘇るから、信也は真っ赤になって俯いた。

 

「そう、私は本当に幸運よ。でも、彼女は違うわ。節子さんには、シンヤの様な

 存在がいないの」

真弓は彼女のマンションの部屋の床に転がり悶絶した美貌の保健教諭を、哀れみ

を込めた目で見つめた。

「校長があの部屋で亡くなった後、私は節子さんが心配で様子を注意して見てい

 たのよ」

いよいよ話が核心に近付いて来たので、信也は顔を上げて年上の美しい愛人を見

つめる。

 

「そりゃ、もう、大変だったわ。最初は糞野郎から開放されて喜んでいたけれど

 、いきなり放り出された様なものだから、戸惑いは大きかったみたい」

小さく溜息を漏らして真弓は目を伏せた。

「変にはしゃぐ日もあれば、朝から一日中、憂鬱な顔で保健室でボンヤリする時

 もあったの。それに、妙にハイテンションで騒いだ翌日には、ひとりで保健室

 で泣き続けていたり、かと思えば、仕事に後で一緒に飲みに行ったら、人事不

 省に成るまでアルコールに溺れたり… 」

肉の奴隷として奉仕を強いられて来たのに、いきなり前触れもなく開放された事

で精神的に不安定に成り、しかも肉体の疼きを鎮める手段を持たぬ節子の懊悩を

、同じ境遇にあった真弓は看過できなかった。

 

 

 


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