その20

 

 

 

「もう… だめ、たまらない、ねえ、イッて! おねがい、私と一緒に、イッて… 

 きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ… 」

卑劣な校長との肉の交わりでは体験出来なかった、鮮烈な快美の奔流に巻き込まれた

真弓の嬌声は、彼女の尻を抱え込み激しく突き上げを繰り返す信也に狂態を齎す。反

り返った背中に玉の汗を滴らせる美人教師に対して、己の欲求に従った少年は、つい

に自制が利かなく成り、そのまま荒々しく腰を振り立てた。

「いっ… いく、もう、いっちゃう… いくぅぅぅぅぅぅ… 」

やわらかな尻を捉まえて猛然と腰を前後させる少年の怒張は、繰り返して蜜壷の奥深

くまで到達するから、子宮を小突かれ続けた真弓は遂に絶頂に駆け上がってしまった。

 

「くぅぅ… 真弓さん! 僕も! 」

彼女が達した瞬間の蜜壷の峻烈な痙攣に抗い切れず、信也も甘い収縮を見せる女教師

の女陰に白濁汁を注ぎ込んでいた。

 

 

「えっと、ああ、ここだ」

手書きの極めて分かり辛い地図のせいで10分ほど迷ったものの、信也は高級住宅街

の中の一軒家に辿り着く。仁村と言う表札を確認した少年は、門柱のインターホンに

手を延ばすが、指先がボタンを押し込む前に、前日真弓から言われた事を脳裏に思い

描いた。

 

「これ、節子さんの家への道順の地図よ」

いきなり差し出されたページの切れっ端を受け取りながら、信也は面喰らった。

「あの、真弓さんも一緒に行くのでは無いのですか? 」

放課後に密談を交わすにか格好の場である生徒指導室に呼び出された信也は、明日の

日曜日に仁村先生の自宅に行く事を真弓から告げられたのだ。てっきり彼女も一緒に

行くものだと早合点していたものだから、信也は驚き問い質す。

 

「うん、本当はそうしようと思っていたけれど、やっぱり止めたわ」

持ち込んでいたお茶のペットボトルのキャップを開けた真弓は、ひと息付いてお茶を

咽に流し込む。

「あのね、一緒に行くと、なんと言うか… 悔しいのよ」

少し躊躇いながら、真弓は本心を吐露して行く。

「君が節子さんとセックスしているのを見ると、妬けるのよ。あっ、でも勘違いしな

 いでよ。別に節子さんと寝るなと言っているわけじゃないの。でも現場を生で見る

と、どうしても、私も! って、気持ちが抑え切れないよのね」

お茶のペットボトルを机に置いて、真弓はじっと少年を見つめた。

 

「なっ… なんですか? 」

「あのね、信也、私はあなたに、私達の御主人様に成ってもらいたいの。ここまで見

 たところでは、あなたには、その素養があるわ」

美しい担任教師の言葉に、少年は驚きを隠せない。

「ごっ… 御主人様って、僕なんかが? ですか? 」

「そうよ、あなたこそ、あの糞野郎の後釜に相応しい人なの。だってあなたは牝の欲

情を満足させてくれる、立派なアレがあるじゃない」

すでに何度も濃密な肉の交わりを持った美しい女教師は、目を細めて微笑んだ。

 

「私をあの窮地から助けてくれただけじゃ無くて、後始末も力を貸してくれたわよね

 。それに、いくらでも私の弱味を握るチャンスがありながら、そんな下衆の考えな

 ど思いつきもしないで、いろいろと助けてくれたアナタなら、信頼出来ると言うも

 のよ」

幾分買い被られてはいるが、憧れの女教師から、そんな風に持ち上げられて悪い気の

しない信也は、頬を赤らめながら誇らしい気持ちに成った。

 

「私だけならば、十分に今のあなたで満足だけれども… 」

ここで真弓は困った様に眉を顰めて目を伏せた。

「節子さんは、少し事情が違うのよ。私よりもずっと前から、あの糞ッ垂れの下衆野

郎に奴隷として扱われて来た節子さんは、しっかり心の底までマゾ奴隷女の喜びが刻

み込まれている様なの」

複雑な思いを胸の奥に仕舞い込み、真弓が話を続ける。

 

「彼女とはひと晩かけて話し合ったけれども、たとえ亡くなったと言っても、校長の

 影響は少しも弱まっていないみたいなの。あの糞野郎の呪縛から、節子さんを解放

 してあげて! このままでは節子さんは、精神の均衡を保つのが難しいわ。一歩間

 違えると、取り返しの付かない事にも成りかねない。下衆校長から受けたトラウマ

 を癒せるのは、たぶんあなただけだと思う」

事の重大さを思い知った信也の顔から血の気が引いた。

 

「でも、僕には、そんな事… どうやれば良いのかわかりません! 教えて下さい真

 弓さん、そうすれば仁村先生を助ける事が出来るのですか? 」

青ざめながらも、けして怯む事なく問題に前向きに当る少年の言葉が嬉しくて、真弓

は思わず微笑んだ。

「やることは簡単よ。要は節子さんの心から、あのくたばった校長の影を蹴り出して

 あげればいいの」

ナゾ掛けの様な真弓の台詞に、少年は首を傾げた。

 

「あの、それって、どうすればいいのですか? 」

「だから、校長の影を彼女の心の中から駆逐するのよ。つまり、あなたが新しい絶対

  的な支配者として振るまい、節子さんを奴隷にしてあげれば、それでいいの」

真弓の説明に少年は驚き目を見張る。

「奴隷… ですか? 」

「新しく奴隷女のポジションを確保したら、節子さんもかなり落ち着くでしょうね。

 そうなれば、彼女だって馬鹿じゃ無いから、時が経つにつれて、あの下衆野郎の呪

 縛も解かれて行くわ。問題なのは精神の均衡を取り戻すまでの間、心の隙間を埋め

 る絶対者が必要だってこと」

女教師は、ここが肝心だとばかりに信也の肩をポンポンと平手で叩く。

 

「その為には、あなたに、あの下衆校長を上回る凶悪なサディストに成ってもらう必

 要があるの。死んだ古い支配者の面影すら霞む様な強烈で残忍な責めを与えること

 で、節子さんの魂は、たぶん亡者の呪縛を逃れる事が可能になるわ」

「あの、僕に出来るでしょうか? 」

気弱な少年の言葉に、真弓は眦を吊り上げる。

「出来る… じゃなくて、やるの! もしも上手く行かなければ、節子さんは多分破

 滅の道を突っ走る事になるわ。ねえ、シンヤ、あなたも彼女を見殺しにしなくは無

 いでしょ?お願い、彼女を助けてあげて」

必死の思いで少年に歩み寄り、彼の両手を握り締めた真弓の懇願を断れるほど、少年

は非情では無い。

「わかりました、やります! 」

信也が力強く頷くと、美しい担任の女教師は深く安堵の溜息を漏らした。そして彼女

は小1時間ほど掛けて、少年に細々とした段取りを伝授した。

 

 

 

 


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