その26

 

 

 

「くっ… あっ、くふぅ… んぐぅぅ… 」

彼女の内臓を押し上げる勢いで肉壷の最深部にまで踏み込んで来た雄根が、ぐりぐ

りと行き止まりの膣壁を小突いたのちに、引き潮のように退くから、そこから生ま

れる鮮烈な快美に景子は目が眩み、歯の根が合わず朦朧となる。

(だめよ、デカいだけで、大した事じゃないわ。もう少し、あと少しだけ頑張れば

 、それでおしまい。この馬鹿野郎が呆気無く噴いたら、思いっきり冷たくあしら

 って、せせら笑ってやる)

理不尽に押し寄せる喜悦の奔流に立ち向かい全身全霊を込めて己を保つべく、この

肉の交わりの勝利者と成る自分の姿を、そして、ものの数秒も持たずに射精に到る

情けない木偶の坊を嘲笑う姿を想像して、景子は奥歯を噛み締めた。しかし、そん

な彼女の努力も虚しく、すでに十分な愛撫を受けて潤った後に、若い獣の怒張を埋

め込まれた蜜壷は、そのたくましい剛直に占領されて、狂気を誘う快美を生み出し

続けている。ときには浅く、そして時には思いきり深く、また最深部にとどめた雄

物を捏ねるように回したりする正信の律動は間違い無く美しく誇り高い若妻を窮地

に追いやって行く。

 

(しっかりしなさい、景子! このままじゃ、この体力馬鹿の思い通りに犯れちゃ

 う。大きいだけのチ◯ポじゃない、もっと締め上げてやって、さっさと終わらせ

 なきゃ! )

次々と押し寄せる愉悦の荒波に揉まれながら、景子は有らん限りの力を込めて蜜壷

の蹂躙を繰り返す剛直を締め付ける。夫はもとより、これまで彼女が相手になった

他の男性会員達はひとりとして、この元天才テニスプレーヤーの肉壷の峻烈にして

甘美な肉の締め付けに耐えたものはおらず、ほぼ1分と持たずに景子の中に白濁の

汁を噴いていた。しかし… 

(ああ、なんで? どうして終わらないの? おかしいじゃない、こんなハズでは

 、いえ、だめ、弱気になったら負けだわ、もう少し、そう、もう少しで終わるん

 だから! )

若者の律動を遮るつもりで膣の肉壁を絞める景子だが、その行為は諸刃の刃であり

、彼女自身にも強烈な甘美を齎す行為に他成らない。これまでの男は景子が本気に

なって責めると、ひと呼吸、あるいはふた呼吸の後に、必ずだらしない声を漏らし

つつ、ザーメンを噴いてしまったものだ。だから、膣に力を込めて収縮させる行為

が多少は危険と自覚していても、自分が乱れることは余り念頭には無く、そんな景

子の苛烈で甘い締め付けをものともせずに律動を繰り返す目の前の若者は到底理解

出来ない存在だった。

 

(よしよし、だいぶ感じて来てくれているみたいだ、せっかく彼女を今夜の相方に

 付けてくれた緒方さんの為にも、もうひと踏ん張りだ)

たしかに景子の蜜壷の峻烈な絞まりは正信を夢心地にさせているが、人並みはずれ

た馬力と、ベテランの緒方をして「性豪」と賞賛した強靱な持久力、そして桁外れ

の大きさの男根は、ひと突ごとに景子の思い上がりを粉砕している。彼の一物のサ

イズが通常であれば、とてもこんなにやすやすと美貌の若妻の膣の締め上げをいな

すことは出来まい。だが、ひと回り以上も太く長大な肉棒は膣壁を目一杯に押し広

げて侵入を果たしているので、その大きさが邪魔になり、魔性を秘めた女陰は十分

に実力が発揮出来ない。

本人は他の男の時と同じ様に絞めているつもりでも、伸び切った膣壁の収縮力は大

きく減退してしまい、正信の怒張を撃退するには到らない。雄大な一物の威力を過

小評価した過ちに加えて、一刻も早くに彼の射精を求めて無理を重ねて締め付けを

計ったことから、その反作用で景子はこれまで経験のない混乱に陥り、ついにその

唇からは色っぽい喘ぎ声がこぼれ落ちる。

 

「くぅぅぅぅぅ、あっ、あひぃ… 」

頭の中に薄靄が掛かり、まともに物を考える事が難しく成ると、景子は自分のから

だがどろどろに蕩けて行く錯覚に陥った。もう意識して膣を絞めているわけでは無

いのだが、貪欲に快楽を求める牝の性が、愉悦を齎す牡の剛直に勝手に濡れた肉襞

を絡めて締め上げ続ける。

(よし、だいぶ景子さんも、その気になってきたな。やっぱり、この人は、他の奥

 さんたちよりも、少し鈍かったんだな)

滑稽な誤解を再確認した若者は、愉悦の波に呑まれた美女の腰を両手でがっちりと

掴み、そのまま力強く突き上げ続ける。これまで何度となく相手の男を翻弄して、

冷やかな軽蔑の笑みと共に葬って来た景子にとって、己を見失いつつしみや矜持を

投げ捨ててよがり泣く事態は、まったく想定していない。

美貌を引き立たせた伶俐な仮面は剥ぎ取られ、昂った牝の恍惚とした顔を曝された

景子は、小麦色に焼けた健康的な肌に玉の汗を滴らせながら、大きく何度も仰け反

り喜悦の奔流に翻弄される。彼女が何度も軽いアクメに達して裸身を痙攣させる中

で、その都度、峻烈な締め付けを喰らう正信の方もそろそろ終わりが近い事を予感

している。

 

(ふぅぅぅぅ… 他の女のひと達も、みんなそれぞれに気持ちが良かったけれども

 、景子さんのマ◯コの締まりは別格だな。ちょっとでも気を抜いたら、あっと言

 うまに漏らしてしまいそうだ)

男を軽蔑しながら身を任せなければ成らぬ景子が、勝負を挑み股を開いたのとは異

なり、脳天着な若者は純粋に美し引き締まった肢体の美人妻とのセックスを楽しん

でいたことから、正信は不埒にも景子を貫きながら他の若妻たちと思い比べている

。一方、必勝の策が完全に裏目に出た美貌の人妻は完全に脳乱状態に陥り、もう若

い獣のなすがままに貪り喰われていた。押し寄せる快美の波動が脳髄を焼き焦がし

、目元から首筋に到るまで真っ赤に染めた美しい若妻は、受け止め切れぬ快楽に溺

れて顔を妖艶に歪めて左右に力なく振るばかりだ。

「だめぇ、おねがいだ、もう、ゆるして、このまま犯られたら、気がヘンに成る。

 私の負けだ、だから、もう… あひぃぃぃぃぃ… 」

ついに矜持を全部かなぐり捨てて、景子は敗北を認めて容赦を乞う。

 

(負けって… 別に勝負をしているわけじゃないだろう? )

プライドの高い若妻には、男を不様に屈服させて冷やかに見下ろす為の真剣勝負だ

ったが、若者にとっては楽しいスワップ行為以外のなにものでも無かったから、正

信は違和感を覚えて首を傾げる。だが、そんな疑問を追求するほど、彼も余裕があ

るわけではない。相変わらず軟体動物のように蠢き肉棒を貪婪に呑み込む蜜壷の強

烈な締め付けが、彼に射精を促すのだ。ベッドの上に投げ出された肢体からは力が

抜けていて、若者の思うがままに扱われているのに、膣の中だけは別の生き物のよ

うに妖しく蠕動する不思議さを訝りながら、正信は黙々と腰を振る。

「もう、終わってくれぇ… ほんとうに、このままじゃ、どうにか成ってしまう…

 あぁぁぁ、助けて、あひぃぃぃぃぃぃ… 」

これまでに経験のない高みに押し上げられたかと思えば、次の瞬間には、その高み

すら単なる通過点に過ぎず、立て続けにさらなる高みへと追い上げられる景子の悲

鳴は手放しだ。ようやく性的に少し鈍いと誤解した美人妻が、他の人妻と同様に牝

の乱れを曝したことから、正信は満足してラストスパートに取り掛かる。この期に

及んで、さらにギアを一段階上げて荒腰を奮い始めた若い獣の底力に恐慌をきたし

た景子が、無言のまま唇の端から泡を噴き痙攣を繰り返す中で、正信も溜りに溜っ

た鬱憤を晴らすように、彼女の蜜壷に思いきり精をほとばしらせた。

「ひっ… あひぃぃぃぃぃ… 」

彼の射精に合わせて、部屋を揺るがせる様な絶叫に近い嬌声を張り上げた景子は目

の眩むような快美の濁流に呑み込まれて瞬時に意識を失った。

 

 

 

 

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