(よし、このまま出そう。ザーメンを口に出されたら、景子さん、どんな顔をする かな? ) ふと心に沸いた悪戯心に煽られて、正信は我慢をあっさり放棄した。忍耐をとめる と、すぐに強烈な射精欲が生まれたから彼は警告することもなく、いきなり精を噴 き上げた。 その瞬間、カッと目を見開き驚愕の眼差しを若者に向けた景子だが、驚くべきこと に誇り高い美貌の若妻は口に含んだ雄根を吐き出す事は無く、口のなかで爆ぜた怒 張に舌を絡めたまま、若者の子種汁を咽を鳴らして嚥下した。 (ふぇぇ、飲んでいるよ、別に飲めって命令したわけでも無いのに… ) 男根を吐き出すやいなや、すごい剣幕で彼を罵ることを予想していた正信は、多少 引っ掛かるのか? ときどき眉を顰めて辛そうな顔をしながら咽を鳴らす美人妻の 行動を、驚きをもって眺めるばかりだ。最後のひと雫まで飲み干した景子は、これ でようやく開放されると信じて、菩薩を思わせる安堵の表情となった。しかし、彼 女は正信の底知れぬ獣欲を少し甘く見過ぎていた。二度も彼を噴かせたことで油断 した美人妻を問答無用で押し倒した正信は、まだ勃起を衰えさせぬ射精直後の雄根 で、またもや美人妻の蜜壷を貫いてみせたのだ。
「そんな、お前、あっ… あひぃぃぃぃぃ… 」 愉悦の業火からの脱却を信じた景子の躯は、安心の余りすっかりと弛緩していたの で、体力自慢の若者の暴挙から逃げることは叶わない。自分でも情けなくなる様な 艶っぽい悲鳴を咽から振り絞った若妻は、たちまちの内に狂乱の淵に追い込まれる 。目の前が暗転して、その中で快美の火花が舞い散る中、彼女は錯乱状態に陥った 。抗議の為の非難の台詞を口にしたくても、さっきまで若者の怒張を舐り回してい た舌が痺れ縺れて呂律が回らず、しかも再び満たされた蜜壷からは彼女の意志を裏 切って、最前にも増して淫らな汁が豊富に溢れ出すしまつだ。 「まて、まって、もう、死ぬ、このままじゃ、死んでしまう! 」 必死の哀願の効果があったのか? 不意に肉壷から若い獣の雄物が引き抜かれた。 しかし粋なり空洞と化した女陰の虚しさに襲われた景子は、自分が本当に肉の交わ りを止めて欲しいのか? それとも、実はもっと続けてもらいたいのか? 本心を 掴みかねている。そんな美人妻の混乱を他所に、腕力に優れた若者は簡単に快美の 溺れる淫妻をベッドの上でひっくり返した。
(ああ、そうか、止めるんじゃなくて、今度はバックから犯ってくれるんだ) 自分の気持ちが分からなくなった若妻は、彼に促されるままに汗の浮いた白い尻を 持ち上げた。たちまち濡れた女陰を割り裂き怒張が押し込まれてくるので、景子は 仰け反り裸身を震わせる。 「ひっ… あひぃぃぃぃぃ… 」 両手でベッドのシーツを掴み、枕に顔を押しつけた美人妻の口からは、もう甘い悲 鳴しか漏れてはこない。若者が背後でゆっくりと動き始めると、景子は自分の欲情 が暴走するのを止められない。やがて律動が激しさを増して行くから、美貌の若妻 は獣の体位で犯される悦びを噛み締めながら随喜の涙で枕を濡らす。 「いっ、イク、またイッちゃう、ああ、おねがい、一緒に、ねえ、おねがいぃぃぃ… 」 握り締めたシーツが幾筋も皺を作る中、目の前の枕に美貌を突っ伏した若妻は、断 続的に裸身をふるわせ、この悦楽地獄から逃れるために正信の射精を懇願する。だ が、二度も精を噴いた若者は、そんな景子の思惑など意にも介さず、力強い律動を 絶やすことは無い。 「ひっ、もう、だめ、ほんとうに、だめ、助けて、おねがい、いやぁぁぁぁぁ… 」 すでに砕けたプライドを悲しむ気持ちも、辱められる汚辱感も彼女の胸中に入り込 む隙間は無い。何度か白目を剥き美貌を辛そうに歪ませる景子だが、この死をも予 感させる苛烈な快美から逃れ様にも、躯はまったく持ち主の言うことを聞いてはく れない。四肢は敢然に萎え切り、彼が力を込めて持ち上げてくれていなければ、尻 を掲げていることも難しい。繰り返し出入りする肉棒のせいで蜜壷から溢れた愛液 はポタポタと滴り落ちて、純白のシーツに恥ずかしい滲みをいくつも描き出してい る。
(このまま、死ぬかも知れない、いいえ、死んでも、いい… ) もう何度、昇りつめたことだろう? まさに絶頂に追い上げられたと思った次の瞬 間には、そこが単なる通過点に過ぎず、仰ぎ見る頂きが出現する不条理な愉悦を持 て余し、魂の安息をえるのは命の炎を掻き消すよりも他に手段が無いと絶望しなが ら、いつ果てるとも知れぬ快楽の迷路を彷徨う景子は、目の前に景色が不意に歪み 色を失ったことで絶命を予感した。紅潮していた顔色が、ゆっくりと青白く変化す るのを見て、さすがに自分の犯り過ぎを悟った正信は幾分慌てたものの、酸欠によ る貧血のせいで意識が朦朧となった美貌の若妻の蜜壷が見せた断末魔の締め付けを モロに喰らった若者は、次の瞬間、気張る間もなく3度目の射精に及んでしまった。 「ひっ… ひぃぃぃぃ… 」 どこか遠いところで自分の悲鳴が響いたのを、まるで他人事の様に感じながら、景 子は蜜壷を熱くさせる牡の欲情汁の洗礼を浴びて、そのまま意識をうしなった。
「ふぅ、ちょっとばかり、頑張りすぎたな」 悶絶した景子をベッドに残して、若者はガウンを羽織ると昨晩と同様に部屋を抜け 出す。美貌の元天才テニスプレーヤーとの肉弾戦に勝利して、昼間の惨敗の溜飲を 下げた若者は強烈な咽の渇きに嘖まれて、今夜もビールを求めて階下へと降りて行 く。 (あれ? ) 無人のはずの広間から芳醇な香りが紫煙と共に漏れて来るから、正信は入り口で足 を止めて中の様子を窺う。 「やあ、遅かったね、待っていたよ横田くん」 彼と同じく白いガウンに身を包んだ緒方が、ソファにどっかりと腰掛けて、パイプ の煙りを揺らしている。 「どうだった? 景子くんとのセックスは? 」 苦みばしった笑顔を見せる初老の男の問いかけに、正信は羞恥で頬を赤く染める。 「えっと、とても良かったです」 「ははは… さすがの景子くんも、君の前では轟沈かな? 」 パイプを手にした緒方は、さも愉快そうに快活な笑い声を漏らす。 「あの、それで、咽が乾いたのものですから、ビールを飲んでもいいですか? 」 「ああ。かまわんよ。別に私に許可を得る必要はない。パーティの最中には、冷蔵 庫の中の酒も食べ物も、全部好きに飲み食いしてかまわないのがルールだからね」 太っ腹な主催者の言葉に甘えて、正信は勇んで大きな冷蔵庫に歩み寄り、中から好 みの銘柄の缶ビールを取り出す。
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