「さあ、いっつ、あ、しょ〜たいむ! 」 戯けた口調の従姉妹の台詞に促されて、正信はテレビの画面に顔を向けた。すると椅 子に腰掛けている美紗子の横に、緒方の妻の淑子が現れた。 微笑みを絶やさぬ美紗子に対して、かるく会釈した淑子は、そのまま美しい従姉妹の 胸元に手を差し伸べてブラウスのボタンを外しはじめる。主催者の妻の動きを助ける ために若干、胸を反らせた美紗子から白のブラウスが脱がされ、これまた純白のブラ ジャーが露に成る。 『さあ、その邪魔なブラも、さっさと取り去ってくださいよ、淑子さん』 『あらあら、吉岡さんたら、そんなに慌てなくてもいいでしょ? 』 焦らすような淑子の言葉に、撮影者の吉岡が反論する。 『いやいや、焦っているのは私だけではありません。ほら… 』 カメラがターンすると、そこには早くもガウン姿となった緒方、関口、そして真弓子 の夫であり、正信や美紗子をスワップサークルに誘ってくれた滝川の姿を写し出す。 とくに滝川は、美紗子の住むマンションの隣室の住人であり、以前から美紗子の美貌 に目を付けていたのも関わらず、前夜の乱交に参加し損なったこともあり、幾分目が 血走っているようにも見えた。 『ほらね、みんなが期待しているのだから、さっさとブラを脱がせちゃってください 、淑子さん』 『まったく、男って奴は、どいつもこいつも、ろくでなしばっかり』 皮肉な笑みを浮かべながらも淑子は吉岡の懇願に折れて、美紗子のブラジャーを剥ぎ 取った。その瞬間にギャラリーの男性陣が小さくどよめいた。 『なんど見ても、綺麗な乳首ですね。子供もいないから、まだまだピンク色を保って いて、こうしてカメラのレンズ越しに眺めていても、奮い付きたく成るような美し さです』 吉岡の台詞に誘われて男達の視線が乳首に集まったのを感じたのか、美紗子は羞恥に 頬を赤く染めながら、腕を組み豊かな胸元を隠してしまう。
『これはいけません、こんな美しいものを、僅かな躊躇いから隠してしまうなんて、 それこそ人類にとっての損失にほかなりません。さあ淑子さん、あなただけが、こ のけしからん状況を打破出来るのです。お願いします、淑子さん』 『はいはい、まったく馬鹿馬鹿しい… 』 やれやれと言った風情で笑いながら首を何度か振った淑子は、椅子の腰掛けたままの 美紗子の後ろの回ると、腕組みしてる美しい従姉妹の手を取り、そのまま上に持ち上 げる。 『ああ、淑子さん、恥ずかしいです… 』 『ここまで来ちゃったならば、もう覚悟を決めなさい、どの道、今夜は馬鹿な獣たち に餌食にされるんだから』 背後から身を屈めた淑子に耳もとで、とんでもない台詞を囁かれた美紗子は、くすぐ ったいのか? すこし身をよじるが、けしてその場間か逃げ出そうとはしない。 『さすがです、淑子さん。さあ、美紗子さん、あなたの周囲の男たちは、みんな、あ なたの美しいおっぱいに感動していますよ』 淑子により手の自由を奪われた美女は、顔を真っ赤にして俯くばかりだ。 『さてと、今度は邪魔なスカートの排除なのですが… 』 『まった! ちょい待ち、それは俺の役得にさせてもらいたい。なにしろ昨晩は俺だ け仲間はずれにされたんだからな』 真弓子の夫である滝川が、小学生のように右手を高々と上げて言い募る。 『仲間外れって、タキガワさん、あんた昨日の夜はお気に入りの淑子さんと一戦交え たあと、酔っぱらってグ〜スカと眠り込んでしまったんじゃないか。もしも起きて いたら、あんたを呼ばないなんて事はしなかったさ』 『え〜い、煩い、だいたいミサコさんは俺の女房が誘って、このスワップサークルに 加わってもらったんだぞ。女房からその経緯を聞いた時に、俺がどれだけ喜んだこ とか? あんたに分かるか? 時々、マンションの廊下ですれ違う美人の奥さんだ と憧れていた女性が、こうやって目の前にいるんだぞ』 前の日の夜に、思わぬ不覚を取り出遅れた滝川は、目を充血で赤くしながら自己の権 利を主張する。 『おいおい、良いのかい、タキちゃん? この光景は吉岡さんが記録しているんだぞ 。あとで奥さんの真弓子さんが見たら、あんた、家に帰ってから虐められるぞ』 おそらくギャラーを決め込んでいる関口の声だろう、その冷静な言葉に滝川はギョっ とした顔を見せると、今度はカメラに向かって真顔を見せた。
『やばい、吉岡さん、この場面はカットね! おねがい、もしも真弓子にバレたら、 小遣い没収されちまう』 両手でピースサインをつくり、ハサミのように指の間を閉じたり開いたりしながら、 滝川は画像のカット編集を要請したが、こうして残されれいるところを見ると、撮影 者の吉岡は意外と人が悪いようだ。 『やれやれ、話が進まないな、それならば、不肖、関口が、大任を引き継ぐことに… 』 『いや、まて、だめだ、ここは俺が… 』 わざとらしく大股でいっ歩前に足を踏み出した関口を押し退けて、滝川は正面から美 紗子の前に駆け寄った。 『このサークルへの参加を聞いてから、毎日、この時のことを夢にまで見ていたのです』 隣家の嫁に向かって滝川は感極まった様子で呻き、そして両手を彼女の腰に差し伸べ た。とめていたホックを器用に外した滝川は、恥ずかしがる美紗子の目を見つめる。 『あの、ミサコさん、少しだけ腰を浮かせてください。そう、そうです』 彼の言葉に従い美紗子がみじろぎすると、その隙を突いた滝川は彼女からするりとスカ ートを引き抜いた。 『おお、これは、紐パン! さすがは美奈子さん、おみごとな覚悟、素晴らしい往生際 ですよ』 わざわざ余計な手間ひまを掛けなくても、腰の左右で蝶結びになった紐を引くだけで簡 単のショーツを脱がせることが可能な下着を目にして、緒方は感激で声を震わせた。 『まあ、美紗子さんたら、もうヤル気、満々みたいね』 『ああ、おっしゃらないで、恥ずかしいです淑子さん』 前々から疑ってはいたが、やはり目の前の美しい従姉妹には露出癖があることを、この 画面を見て正信は確信した。これだけ多くの男達の前でショーツ一枚の姿を曝していな がら、美紗子の股間は明らかに潤い、股布の辺りにが滲みと成り変色しているのだ。 『さて、最後の邪魔モノを脱いでいただきましょう』 昨晩、乗り遅れていた滝川は、なんの遠慮も無く美紗子の腰の両側の細い紐を掴むと、 蝶結びを解いてしまう。
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