その6

 

 

 

(うわぁぁ。これって、ディープキスだよね)

実際の経験は乏しいが情報過多の現代を生きる少年は、いろいろな媒体を通じて

知識を積み重ねた結果、いま、憧れの女教師との口付けが、いわゆるディープキ

スであることを認識している。度胸一番、おずおずと舌を動かしてみると、まる

で待ってましたと言わんばかりに彼女の舌が絡み付いてくるから、芳弘は夢中で

女教師との情熱的なキスにのめり込み、ついには互いに唾液を啜り合う。智代の

大胆なキスに刺激されて、少年は目の前が暗くなりような感動に襲われ、制御が

出来ぬ股間は痛い程に勃起する。

「ふぅ、キスも上手なのね? もう何処かの可愛い子と経験済みだったのかな? 」

唇は離したものの、超至近距離に顔を留めた女教師の探る言葉に対して、芳弘は

力強く何度も首を横に振る。

「ふ〜ん、それならば、もしかしてファーストキスを奪っちゃったのかしら? 」

悪戯っ子のように魅惑的な笑みを浮かべながら囁く智代の台詞に、こんどは少

年は何度も頷いて見せた。

「うふふ、ホント? 本当に初めてなの? で、どう? ファーストキスの感

 想は? 」

「ゆ、夢みたいです、ぜんぜん現実感がありません」

興奮で顔を真っ赤に染めた芳弘の事を、美しい女教師は微笑み見つめる。

 

「さて、ファーストキスも、無事におわったことだから、ついでに初体験もイ

 ッちゃう?」

憧れの先生からとんでもない台詞を投げかけられて、芳弘は再び固まった。

(しょ! 初体験って、えええええええ! )

どうして良いものやら途方にくれる少年を残して、彼女は身軽に立ち上がると

隣室に通じるドアに歩み寄る。

「さあ、こっちよ、いらっしゃい、新田くん」

振り向きざまにウインクした美人教師は、ドアを開けて隣室へと消えるから、

芳弘は慌ててソファから立ち上がり、足を縺れさせながら部屋の主の後に続い

た。

(うわ! マジ、マジなのか? )

カーテンが引かれていることから多少薄暗い部屋の壁際には、セミダブルのベ

ッドが鎮座している。しかし、入り口から一歩足を踏み入れて立ち止まったの

はベッドに圧倒されたわけでは無く、微笑みを浮かべたままブラウスのボタン

を外す智代の姿に驚いたからだ。少年が一言も発することが出来ず、ただただ

立ち竦むばかりなのを他所に、ブラウスに続いてスカートも脱いだ美貌の女教

師はブラも、そして最後に残ったショーツまでもあっさりと脱ぎ捨ててしまっ

たのだ。潔く全裸となった女教師は妖艶な笑みを浮かべたまま芳弘の元に歩み

寄る。

「自分の教え子の目の前で裸になる先生を、新田くんは軽蔑する? 」

「いっ、いえ、そんなことありません! 」

驚きと興奮が大きすぎて、カラカラに咽が乾き声も掠れたが、芳弘は首を激し

く横に振る。

 

「うれしい、ありがとうね、新田くん」

裸になった憧れの女教師に抱き着かれて、芳弘は強烈な目眩に襲われた。余り

にも刺激的な出来事に棒立ちとなった少年の背中に手を回した智代は熱い吐息

を耳朶へと吹き掛ける。

「君みたいな可愛い男の子を教えたくて、先生になったんだもの。そんな新田

 くんが家に来てくれたのだから、もう我慢なんて、無理無理」

真っ赤になった少年の耳朶に唇を寄せて少し強めに歯を立てた智代は、一転し

て急に教え子から身を離す。

「さあ、わたしだけ裸にさせていないで、新田くんも脱いでちょうだい」

清楚で可憐な女教師が瞬時に淫らな魔女へと変貌するのを、芳弘は不思議に思

いながら自分のシャツのボタンを外してゆく。シャツに次いでズボンを脱いだ

ところで、美貌の女教師からストップの声が掛かった。

「ここからは、私に脱がさせてちょうだい」

芳弘の返事も待たず、彼の前で跪いた美人教師は両手を伸ばすと純白のブリー

フの左右の縁に指を掛けた。

「うわぁ、先生、そんな… 」

少年の抗議の声を無視して、目を輝かせた智代は一気にブリーフを引き降ろす。

「まあ、想像通りだわ、やっぱり被っている」

憧れの女教師に仮性包茎を指摘されて、芳信は顔から火が出るほど恥ずかしい

。こんな不様な姿を見られることに耐えられぬ少年は慌てて両手で股間を隠し

た。

「だめ、ずるいわ。ほら、もっと、ちゃんと見せてちょうだい」

股間を隠す少年の両手首を捉まえた智代は、ニコニコしながら力を込めて振払

う。

「大丈夫よ、これくらいの皮なら簡単に剥けるから」

全裸の美女を見て、すでに痛いくらいに勃起している少年の男根に指を絡めた

智代は、そのまま優しく余った皮を引っ張り亀頭を露出させた。

 

「くぅぅぅ… 」

敬愛してやまない美しい女教師の手で弄られる刺激が、芳弘を不様に呻かせる。

「それじゃ、いよいよ、いただきま〜す」

彼の緊張を特ほぐす為なのか? 少しおどけた口調で智代が少年の股間に顔を

寄せて行く。ピンク色のルージュで彩られた唇が開き、あっと言う間もなく、

芳弘の一物の先端が呑み込まれた。

(うわぁぁぁぁ… 先生が、僕のオチンチンをくわえてくれた、これって、フ

 ェラチオだよね)

自慰とは異なり生暖かく心地の良い空間に包み込まれた一物から生み出される

快感は、童貞である芳弘には未知の感触だから、彼は驚き目を見開いたまま身

動きひとつ出来ずに戸惑うばかりだ。一方、智代の方は慣れた仕種で少年の初

々しい男根を浅く含み舌先を巧みに使って、わざと淫猥な音を立ててしゃぶり

回す。

生まれて初めて味わうフェラの快感に翻弄されて身を硬くする少年を、ちらっ

と上目使いで見て微笑んだ女教師は今度は彼の様子をうかがいながら少しずつ

童貞少年の男根を呑み込んで行き、遂には鼻先が彼の淫毛に埋もれるほど深く

頬張って見せたのだ。

その余りにも淫らな振るまいに圧倒されて、芳弘は言葉も無く、ただ呆然と己

の股間に顔を埋めている美貌の女教師を見下ろしていた。あんなにも恋い焦が

れた智代が、こうして彼のまえで跪き勃起した肉棒にしゃぶりついてくれてい

る現実を、まだ彼は正確に認識できていない。これは夢ではないのか? ある

いは妄想ではないのか? と、何度も心の中で問い質してみるが、敏感になっ

た男根から生み出される快感は紛れもなく本物であり、こんなに唐突に童貞を

捨てるチャンスが訪れた事を、少年はまだ信じられずにいる。だが、そんな芳

弘の雑念も長く続けることは出来ない。

 

 

 

 


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