その33

 

 

 

「あっ! 」

父親と腕を組みヴァージンロードを歩んでいた智代は、小さく声を漏らし足元

が少しふらついた。

(うわ! 智代の奴、本当に前澤先生の命令通りに、あの青いローターをマ◯

 コの中に入れっぱなしなんだ)

サド変態科学教師の読みは適中していた。本心から拒むならば、あらかじめ女

陰に挿入されていた恥知らずな電動淫具を取り外すチャンスはいくらでもある

。だが前澤は、おのれが性奴隷へと堕した女が自分の命令に背くことは無いと

断言していたし、性交地獄の深淵を彷徨う悦びを知り尽くしたマゾ奴隷女教師

は、生涯最大のイベントを淫らに汚される行為を望み、マゾの血を滾らせてい

ると言い放っていた。

だが、満場の来賓や親戚の見守る中で、結婚式の最中に何時暴れ始めるか分か

らぬ電動淫具を呑み込んだまま式に臨むかどうか? コントローラーのスイッ

チを密かにオンにするまで、芳弘は確信を持てなかった。こうしてスイッチの

目盛りを押し上げたタイミングで、彼女が不自然な反応したばかりか、足元を

ふらつかせた有り様を目の当たりにして、あらためて少年は、智代と前澤の主

従関係の強さを思い知らされた。

(ちくしょう! あのキモオタ教師の言うことならば、なんでも従うのか?

 どうなんだ、智代! )

何時の間にか由梨江の影響から前澤をキモオタと罵るばかりか、これまでけし

て粗略に思ったことの無い女教師まで、心の中とは言へ呼び捨てにした少年の

瞳の中では、暗い情念が炎と成りゆらめいている。さっきまで、あれほど耳障

りだった結婚行進曲を奏でるオルガンの音も聞こえなく成り、彼の瞳には女奴

隷教師と、その夫と成るサディストの姿しか映ってはいない。

掌で隠したコントローラーのスイッチをランダムに上下させているが、最初の

衝撃から立ち直ってからは、智代は自制心を総動員して膣の中で暴れる淫具の

存在を意識から押し出していた。しかし、あらかじめ強力な媚薬を塗られてい

た女陰は、まるで眠りから目覚めたばかりの活火山の様に急激に熱を帯びて来

て、微妙に強弱を付けたローターの振動の刺激のせいで、下着を浸透した愛液

が太股の内側を濡らし始めている。

眉をきゅっと顰めて、倒れ込まぬ様に必死に自分の腕にしがみつく愛娘の危機

を、結婚式の緊張によるものと勘違いした初老の父親は、感慨深気に何度も頷

き足元のおぼつかぬ花嫁を力を込めて支えてやった。

 

(まあ、あんな男に智代の純潔をくれてやるのは、返す返すも惜しいが、だか

 らと言って嫁き遅れに成っても困る。それにしても、普段はけっこう気丈に

 見えたが、いざ結婚となると、こんなに緊張するものなのだなぁ… )

教職に付いた娘が処女であると固く信じている父親の頓珍漢な感慨を他所に、

智代は徐々にだが確実に追い詰められて行く。

(ああ、つらい、このまましゃがみ込んでしまいそう。でも、これは、ヨシヒ

 ロ様の罰なのね? 私が御主人様に嫁ぐ事に対する、ヨシヒロさまの罰なら

 ば、奴隷女として、甘んじて受けなきゃいけないわ。でも、あふぅ、オマ◯

 コの中で、こんなに暴れるなんて、あっ、あひぃ… )

さきほどまでのやわらかな笑みは掻き消えて、首筋から頬までも昂奮で赤く染

めた美貌の花嫁は、それでもエスコートする父親にしがみつくようにして、な

んとか祭壇で待ち構えるメンバーの中では唯一、事情を知っている花婿の傍ら

に辿り着いた。目元を朱に染めて瞳を潤ませる女教師の有り様を見て、前澤は

瞬時に全てを悟る。

(やるじゃないか、芳弘、それでこそ、この智代が選んだ男だぜ)

照明の関係で影に成った闇の中に身を潜めているハズの相棒の居場所は定かで

はないが、少年が見事に役割を果たしていることに満足した新郎は、妻と成る

女教師の父親から、彼女の手を委ねられた。一方、闇の中でローターの遠隔操

作を行なっていた芳弘は、花嫁の親族席に陣取った由梨江の気配を窺い、一旦

、ブルーのローターの振動を止める。

 

(やっぱり、あのお姉さんは鋭いな、智代先生の異変に気付いているみたいだ)

だれもが花嫁の些細な不調法が緊張の末の微笑ましい所作だと推察する中で、

妹の由梨江だけは険しい顔を主役の二人に向けたまま、気を抜く様子は見えな

い。ここは少し、間を置いて智代の回復を待つべきだと判断した少年は、間違

えても由梨江の目に付かぬように細心の注意を払い柱の影に身を隠す。

来賓や双方の親族達がほのぼのとした風情で見守る中で、結婚の儀は粛々と進

められて行く。神父の定番の言葉が殷々と静粛な教会の中に響き、誓いの言葉

に続き指輪の交換も滞ること無く行なわれた。由梨江の目を恐れた少年が自重

したことから、膣の中で暴れていたローターが鎮まったことで、智代もひと息

入れることが出来た。

生涯唯一にして最高のイベントと成るであろう結婚式で、肉奴隷としてサドの

御主人様の命令に従い、ウエディングドレスで隠された女体の股間に淫具を呑

み込んだ女教師は、なにもかもがぶち壊しに成るギリギリの所で踏み止まる緊

張感と、背徳感、そして結婚を祝すために集いし面々の前で牝の暗黒の悦びに

浸る法悦に魂を震わせていた。

こうして神父の前で夫婦と成る為の誓いを述べている最中でも、何時、膣の中

で凶暴な淫具が猛然と震え出すか分からない。もう来るのか? それとも、ま

だなのか? どのタイミングで淫具が目覚め、そして女体を食い荒らすように

強烈に暴れ捲るのか? 今か今かと待ち続ける緊迫感は、花嫁を艶やかに染め

上げて見る者達を圧倒して行く。

(智代姉さん、どうしたんだろう? あれって、間違いなく姉さんよね? )

 

実の妹の由梨江の目から見ても、清純な花嫁姿の智代が内面から醸し出す強烈

な色香に圧倒されて、ただキモオタ野郎との婚儀を呆気に取られて見つめるば

かりだ。二人の姉妹の父親にエスコートされて教会に現れた時の姉は、眩いば

かりに清楚で可憐な花嫁だった。あの小太りのオタク野郎に嫁ぐなんて、大間

違いだと内心で悲憤慷慨した由梨江だったが、父親と共にヴァージンロードを

歩む姉が見せた雰囲気の変貌は凄まじく、清楚な花嫁が僅か数メーターを歩ん

だだけで大輪の花、しかも南国で咲き乱れる妖しくも艶かしい徒花に変わった

と錯覚したのは彼女の感の鋭さを証明している。

何が何だか分からぬうちに結婚式は淡々と進み、落ち着きを取り戻した智代は

波瀾も無く指輪の交換を行なったが、短い間に天使と堕天使の狭間を揺れ動く

ような危うくも淫らな美しさを感じ取った由梨江は、いま目にした光景が現実

のものとは思えず、ただ息を呑み姉の心底幸せそうな横顔を見つめるばかりだ。

(いったい、なにがあったの? 姉さん… )

清楚な装いの中に仄かに漂う悪魔の甘い腐乱臭を嗅ぎ取った由梨江は、その正

体不明の不安で物悲し気な気配に眉を曇らせる。言い知れぬ悪い予感を心の中

で増大させる花嫁の妹の様子を柱の影から窺っていた芳弘だが、このまま静か

に式を終わらせるつもりは毛頭無い。彼の心の暗黒面に巣食った欲望は、堪え

切れぬ衝動と成り少年を突き動かしている。

 

 

 

 


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